坪単価の謎?

住まいづくり『プロと博士の教え』 第1話

住まいづくり『プロと博士の教え』

~『間取りの博士』の教え ~

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坪単価の謎?

よく晴れた日曜日。そこには子供連れのご家族で賑わっているお宅があります。小鳥がさえずり芝生の緑が生えわたる、一軒のモデルハウス。

そんなお宅でよく耳にする一言!

「これって坪いくら?」

あなたも、そう聞いてみたことはありませんか?

この家はいったいいくらなんだろう…?




「坪単価」はあってないようなもの!

坪単価」って、本体価格延べ床面積で割ったものでしょ!…なんて、単純にあなたは思っていませんよね~?

「えっ ‼」

これって、実はあってないようなものなんです。多少の目安にはなりますが、決して当てにしてはいけません。

結果的に、わたしたちは坪いくらの買い物をしたんだなぁ~と、後で計算して感じるくらいのものなんです。

坪単価などというものは、各住宅メーカーさんで、いくらでも自由に操作できますし、個々の営業マンが、あなたの顔色や懐具合を見ていくらでも操作できちゃうものなんです。

しいて言うならば、テレビや雑誌・カタログなどで分かりやすいように表現した数字なのですが、実際には一番分かりにくいものであり、みなさんを惑わすだけのものなんです。

唯一坪単価があてに出来るケースとしては、同じメーカーさんの商品体系を知る時です。

どちらの家のほうがグレードが高いのかなぁ~って思った時には、ちょっと見てみてください。

もちろん同じ商品でも、単価設定に幅がありますから、坪単価が逆転するケースはいくらでも考えられます。

でも、坪単価って必ず最低価格がクローズアップされていますよね! 「坪○万円~」って。

だからメーカーさんも、坪単価が商品ブランドの位置づけ(上下関係)を表してしまいますから、表示される「坪単価=グレード」となるように気にしているところが多いみたいです。




「坪単価」は変幻自在!

「でもでも、坪いくらでできるってよく言うじゃん! 営業マンも坪いくらの家ですって!」

…って、まだポカ~ン!としているあなたに、一つ事例をあげますね。

「坪30万円~」の広告にのせられ、「トクトクハウス」シリーズの家をマムちゃん夫妻は建ててはみましたが、結果的には坪50万円になっていた…という例です。

この例の答えは、いろんなカラクリによって困ったことにいっぱいあるのですが、ほんの一例としては、

この「トクトクハウス」シリーズのイジワル住宅のチラシ広告をよ~く見ると、商品「トクトクハウス」のチラシの家は、坪30万円と魅力的な価格になっているのですが、この参考プラン、よ~く見ると下に延べ床面積の表示が小さい文字で80坪と書かれています。

でもって、マムちゃんが建てた家はというと、土地が変形していることもあり、延べ床面積27坪のおうちでした。

ここまでで、もうお分かりですよね?

家の価格って、キッチンやお風呂、洗面台などの水周りの設備の費用がばかにならないんです。でも家が大きくても小さくても、二世帯じゃなければ設備はほとんど一緒でしょ。

同じように、家の大きさに関係なく一定でかかる費用って実は非常に多いんです。それ以外の部屋の部分の単価は、床壁天井で知れていますから、だいたい坪20万円くらいですかね。

だから、トクトクハウスとマムちゃん家の延べ床面積の差部分を坪20万として計算すると、マムちゃん家の坪単価は…

★坪30万×面積80坪=2400万円(トクトクハウスの価格)

★(2400万円-坪20万×(面積80坪-面積27坪))÷面積27坪≒坪50万

ねっ! 30万円が50万円になっちゃたでしょ。

「う~ん?」



つまり分かりやすく言えば、100万円の1坪のユニットバスのそのお風呂部分の坪単価って、上記の例で言えば100万+20万=坪120万円ですよね。これはチラシの家でもマムちゃん宅でも同じこと。

結局この高~い坪単価の部分を、安~い部分とならしていくらになるかってことなんです。

だから、設備が一緒で家が大きくなると、坪単価はどんどん安く表現できるってわけ。

それなのに実際にみなさんが建てる家は、一部の方を除いては展示場みたいに大きくはないので、同じシリーズで同じような設備でも、結果的に建ててみたら坪単価は高くなってしまうというわけなんです。チラシの家は÷80で、マムちゃん家は÷27なんですから、明白ですよね。

まだ、ダメだめですかね?

じゃ~これではどうですか? 次回へつづく…


『間取りの博士』の教え:第2話
 ☞ 坪単価は、水回りと外周がツボ?


※プロローグでお断りさせて頂きましたが、現在では女性蔑視・差別表現とされている「ご主人」「旦那」「奥様」という呼称が登場しています。ジェンダー・ニュートラルな「パートナー」や「つれあい」という言葉では文脈上誰を指すのかわかりにくく、また公的な場で「夫」「妻」を他人が呼ぶ呼称が未だ定着していないことから、便宜上「ご主人」「旦那」「奥様」という呼称を使用しています。


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