岡山県観光ガイドベンガラ館

名勝・史跡★百景 日本の観光名所・おすすめ観光スポットを検索 ベンガラ館

Vol . 247

ベンガラ館

Okayama

岡山県

3つ星評価

ベンガラ館

Presented By 星★聖

ベンガラ館(岡山)

ホテル・旅館の宿泊予約 プロが選ぶ温泉宿
  1. Home
  2. 岡山県観光ガイド
  3. ベンガラ館
ベンガラ館をご覧の皆様へ

ベンガラ館べんがらかんとは?

1707年に日本で初めて赤色顔料の「ベンガラ」を生産し繁栄した、岡山県高梁市たかはしし成羽町なりわちょう吹屋ふきやにある、かつての弁柄べんがら工場を再生・復元し1986年にオープンした施設。

1976年よりふるさと再生事業として整備が進められた、笹畝坑道広兼邸旧吹屋小学校 などとともに 吹屋ふるさと村 を構成する観光スポットの1つで、2007年に 近代化産業遺産 に選定、2020年には 日本遺産 の構成文化財に指定されている。

明治時代の弁柄工場の様子が、当時の製造用器具により忠実に再現されており、工程順に巡ることで赤色顔料として陶磁器の絵付や衣料の下染め、家屋や船舶の塗料などに使用されてきた「吹屋弁柄」の製造工程が理解できるようになっている。

隣接する「ベンガラ陶芸館」では、弁柄で絵付された陶磁器の展示の他、陶芸体験 も行える。

星★聖の名勝・史跡 見どころ

ベンガラ館見どころ

ベンガラ館
ベンガラ館

ベンガラ館

"弁柄べんがら" は酸素と鉄が結び付いた酸化鉄で、古くから絵具として使われてきた人類最古の顔料と言われる。アルタミラの洞窟の壁画や高松塚古墳の美人画にも使われていたとされ、初代柿右衛門の絵付にも利用されていたが、この時代の弁柄は黄土を赤熱したもので「吹屋弁柄」の製法とは異なる。主にインドのベンガル地方産を輸入していたことから "ベンガラ" と言われるようになったとされる。

ベンガラ館とベンガラ陶芸館
ベンガラ館とベンガラ陶芸館

ベンガラ館とベンガラ陶芸館

ベンガラ館も吹屋の町並み同様、赤褐色の塩田瓦と弁柄色の外壁により何とも言えぬ雰囲気を醸し出している。手前がベンガラ陶芸館で、奥の建物の入口の先にかつての弁柄工場が復元されている。今や人口100人程となったこの山奥の町の姿からは想像できないが、銅山1つに1600人もの人が働いていた隆盛を極めた往時の姿が残された写真より垣間見える。

ベンガラ陶芸館の三胴式登り窯
三胴式登り窯

三胴式登り窯

ベンガラ館に隣接した「ベンガラ陶芸館」には、今ではなかなか見ることができない三胴式の登り窯がある。『ザ!鉄腕!DASH!!』の登り窯づくりでその構造を知った方もいるかと思うが、ここでベンガラ焼の皿や湯呑などの作陶や土ひねりと絵付の陶芸体験ができる。また九谷焼や伊万里焼などの弁柄で絵付された陶磁器の展示も行われている。

吹屋弁柄の製造工程
吹屋弁柄の製造工程

吹屋のベンガラの製造工程

ベンガラの製造工程は、単純そうに見えてなかなか大変だ。❶鉱山 にて採鉱・選鉱された鉱石は、まずは ❷ローハ工場 へと運ばれる。ここで焼鉱→溶解→溶液濃縮→中和結晶→乾燥の工程を経てローハ(緑礬りょくばん)が造られる。これが ❸弁柄工場 へ運ばれ、ここに記された工程①②③を経て「吹屋弁柄」が完成する。これを ❹町の商家 へと運び、計量や封印、木箱への荷詰めや梱包・荷札書きなどの作業が行われ、晴れて出荷となる。

ベンガラ館
ベンガラ館

全国に名声が轟いた「吹屋弁柄」

1707年に偶然の産物として、吉岡銅山の捨石だった硫化鉄鉱を利用し日本初のベンガラ生産が家内工業として細々と始まると、1751年の本山鉱山の開発とローハの製造・凝結技術の確立が両輪となって、1777年よりベンガラ製造が本格的に工業化された。1790年からは名代官として名高い早川代官こと早川正紀が、その将来性を見込み弁柄産業を振興したことで発展。1877年には「第1回 内国勧業博覧会」で一等褒状ほうじょうを授与され、品質に勝る「吹屋弁柄」の名声は全国に轟き、吹屋はベンガラの町として江戸・明治・大正・昭和と時代を駆け抜けた。このベンガラ館は、谷間に4つあった ❸弁柄工場 の内、1974年まで操業していた最後の工場を明治期の姿に復元し1986年にオープンした施設で、敷地内には数棟の建物があり工程ごとに作業場が分かれている。まずは順路通りに工程①の "焼き" づくりが行われる「窯場室」へ向かおう。見学の際は、着ている服が弁柄色に染まらないように注意しよう!

ベンガラ館の窯場
窯場

工程① 窯場(かまば)

❷ローハ工場 より入荷した乾燥させた緑青色をした結晶体のローハ(緑礬りょくばん)を、"ホーロク" と言われる土器皿に盛り、窯の中に200枚ほど積み重ねて入れる。これを松の薪を使い下から700℃の火で1~2昼夜焚き続けると、赤く変化した "焼き" と言われるベンガラの基ができる。今でこそ簡単に700℃と言っているが、高温度計も普及していなかった時代に長年の経験と勘による温度管理は、まさに吹屋の職人技と言える。

ベンガラ館の水洗碾臼室
水洗碾臼室

水洗碾臼室

工程①を経て、コモ詰めなどで貯蔵されたベンガラの基となる "焼き" が運ばれて行くのが「水洗碾臼室」だ。ここで工程②の水簸すいひ粉成こなしの作業が行われる。もう一度言っておくが、赤一色の世界で夢中になり過ぎて衣服を汚さないように!

ベンガラ館の階段式水槽
階段式水槽

工程② 水洗い・碾臼場

"焼き" には不純物が多く混ざっているため、手前の階段式の水槽にて順々に不純物を取り除いて行く工程が "水洗い" だ。奥に見えるのは "碾臼場ひきうすば" で、歯車の付いた石臼を水車の動力で回し粒子を細かくする工程となる。

ベンガラ館の階段式水槽
階段式水槽

工程②-1 水洗い

"焼き" を上段の水槽に入れ清水を加えて撹拌し、時間を置き順々に階段式の水槽に流し込みながら "水洗い" を行う。言葉は難しいが、"水簸すいひ"と呼ばれる粒子の沈降速度ちんこうそくどの差を利用した分離法で、塩水を利用した比重分離に似た感じだ。『ザ!鉄腕!DASH!!』の米作りでの、種籾の塩水選をイメージしてもらうとわかりやすいかも…。

ベンガラ館の碾臼場
碾臼場

工程②-2 碾臼場(ひきうすば)

木樋もくひにより水が引かれ、水車を動力として歯車を回し、ベンガラが石臼により細かくかれて行く。水車の動力で杵を上下させ玄米や蕎麦・小麦などを石臼でく仕組みはよく見るが、これだけ大きな歯車でき臼を回す仕組みは珍しいと思う。電気によるモーターが当たり前の時代、水車による動力の仕組みは新鮮に映るだろう。

ベンガラの主な用途
ベンガラの主な用途

ベンガラの主な用途

弁柄色と言われる赤色顔料で広く知られるベンガラだが、近代においても様々な用途で使用されている。ベンガラ製造で時代を生き抜いてきた戸田工業では、今も様々な用途でベンガラづくりで得たノウハウが活かされている。

ベンガラ館の脱酸水槽室
脱酸水槽室

脱酸水槽室

工程②で石臼により粉成こなしされたベンガラの酸性分を抜く "あく抜き" 作業を行う「脱酸水槽室」だ。いよいよ「吹屋弁柄」が完成へと近づいて行く。優しい色合いの弁柄だが、さすがに目が染まってきたという人は一度空を見上げよう!

ベンガラ館の脱酸場
脱酸場

工程③ 脱酸場(だつさんじょう)

工程③では、ベンガラに清水を加えながら撹拌と沈殿を繰り返し、硫酸分を含んだうわ水を捨てることで脱酸していく "あく抜き" 作業が行われる。時に100回くらい繰り返すこともあるという根気のいる作業だ。この後、泥状のベンガラは、干板に薄く延ばされ干棚に並べられ天日干しする "干立" と言われる工程を経て、"トンコ" と呼ばれるふるいにかけられ「吹屋弁柄」となる。これが❹町の商家へと運ばれて行くわけだ。

ベンガラ館
ベンガラ館

「ジャパンレッド」発祥の地に建つベンガラ館

吹屋は日本初の弁柄の産地だったが、唯一の産地だったわけではない。大阪の「鉄丹弁柄てつにべんがら(ダライコ弁柄)」がライバルとして立ちはだかった時代もあった。品質で勝る「吹屋弁柄」は、常に競り勝ちライバルたちを淘汰していったのだが、やがて品質低下や安価な弁柄の登場により終焉を迎えることとなった。そんな吹屋の弁柄産業の栄枯盛衰を物語るベンガラ館は、2007年に"地域と様々な関わりを持ちながら我が国の銅生産を支えた瀬戸内の銅山の歩みを物語る近代化産業遺産群"として近代化産業遺産に選定されると、2020年6月19日には"「ジャパンレッド」発祥の地"として日本遺産の構成文化財に指定されている。ベンガラに全く興味がない方は多分5分で出てきてしまうので無理には薦めないが、「ジャパンレッド」発祥の地である吹屋にしかない貴重な文化財なので、見られるうちに見ておいてほしいと思う。

ベンガラ館の3つのポイント

近代化産業遺産にして日本遺産の構成文化財だよ!

ジャパンレッド発祥の地で、説明を聞きながら誕生の歴史と作業工程を学ぼう!

赤色顔料のベンガラを生んだ先人たちの苦労を知ろう!

単純に見える工程ながら、揚げ浜式製塩にも通じる気が遠くなる様な手間暇がかけられているよ!

見学中に衣服や靴・鞄などを汚さないように!

独特の色合いが魅力のベンガラだが、くれぐれも自分が染まらないように!

ベンガラ館魅力

温泉マイスター 星★聖(ほしたかし) 星★聖

ベンガラ館見頃・おすすめ時期

1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月 

ベンガラ館基本情報

名称 ベンガラ館
読み方 べんがらかん
英訳 Bengala-kan
Bengala Museum
郵便番号 〒719-2342
所在地 岡山県 高梁市 成羽町吹屋86
駐車場 あり
お問合せ 0866-29-2136
アクセス 現在地 からの ルート所要時間
登録・指定 日本遺産
近代化産業遺産
選定・表彰

ベンガラ館カテゴリー

ベンガラ館地図

ベンガラ館PR

温泉地 ♨ 湯郷温泉湯原温泉奥津温泉
宿泊予約 じゃらん一休.com楽天トラベル
高速バス 🚍 全国の高速バス予約
レンタカー 🚘 レンタカー予約 プラン比較
JR新幹線 🚅 JR6社全国対応!新幹線・特急のチケット手配♪【NAVITIME Travel】
キャンプ キャンプ場予約「TAKIBI」
ゴルフ場 岡山県のゴルフ場予約
グルメ情報 🍜 岡山県のうまい店
クーポン 🈹 岡山県の割引クーポン!!
遊び・体験 🏄 岡山県の遊び・体験スポット 注目
ツアー 👪 岡山県への厳選ツアー