山口県旅行観光ガイド『山口ザビエル記念聖堂
山口ザビエル記念聖堂 Vol . 99
山口ザビエル記念聖堂
(山口県 山口市)
‐ Yamaguchi ‐
山口
Presented By 星★聖
山口ザビエル記念聖堂(山口)
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山口ザビエル記念聖堂の評価
山口ザビエル記念聖堂の評価
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■ 山口ザビエル記念聖堂とは?

 山口県山口市の市街地の中心部である、山口駅から県庁へと続くメイン通りであるパークロード沿いにある亀山公園に隣接する聖堂で、周辺には山口県立美術館をはじめ博物館や資料館などが集まる。1991年9月5日に焼失したロマネスク様式の重厚な聖堂に代わり、「信仰というものは過去に限られるものではなく現代に生きるもの・・・」というコンセプトのもと、全く異なる近代的なイメージの聖堂として1998年4月29日に誕生した。 
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おすすめシーズン
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
山口ザビエル聖堂内部の、言葉に出来ない幻想的な空間を体感しよう!
角度によって見え方が変わる、聖堂と独立した2本の塔の配置に注目!
絶妙な不規則性の中にバランス点を見つけ生まれた建築美を堪能しよう!
~ 山口ザビエル記念聖堂 編 ~ 温泉マイスター 星★聖(ほし たかし)
山口ザビエル記念聖堂の見所
山口ザビエル記念聖堂 礼拝堂に響くパイプオルガン 幻想的という言葉がピッタリな空間
山口ザビエル記念聖堂 礼拝堂に響くパイプオルガン 幻想的という言葉がピッタリな空間
1991年9月5日に焼失した、ザビエルの故郷ナバラのザビエル城を彷彿させるロマネスク様式のかつての重厚な建物とは全く異なる聖堂が建てられた。 2階が礼拝堂となっており内部に入ることができる。中3階にパイプオルガンが配置されており、素晴らしい空間に荘厳なパイプオルガンの音が響く。 撮影禁止で内部をお見せできないが、その方が良い気もする。祭壇に向かって左右対象に整然と椅子が並ぶ一般的な教会とは全く異なる世界が待っている。
独立した2本の塔 フランシスコ・ザビエル 井戸の横で布教活動を行ったザビエル
独立した2本の塔 フランシスコ・ザビエル 井戸の横で布教活動を行ったザビエル
左右異なるデザインで、一見聖堂と一体化して見える2本の塔は、実は中庭に独立して建つ建築物となっており、見る角度により様々な表情を見せる。 1506年4月7日、5人姉弟の末っ子としてスペインのナバラに生まれたザビエルは、1549年に鹿児島上陸し日本にキリスト教を広めた。 井戸の横で説教を行い布教活動を行ったとされるザビエル。そんな光景を彷彿させるザビエル像が、幼稚園のある駐車場そばにある。
アンバランスというバランス性 クリスチャン記念館 聖母子像
アンバランスというバランス性 クリスチャン記念館 聖母子像
一見不揃いにも思える絶妙な配置のもとに築き上げられたこの聖堂は、教会であることを忘れさせてくれるくらい考え抜かれたすばらしい建築物だ。 山口ザビエル記念聖堂の1階部分は、ザビエルが日本で行った布教活動やキリスト教伝来の歴史などを紹介するクリスチャン記念館となっている。 2階の入口前に、純白の聖母子像が建っている。山口ザビエル記念聖堂には、ザビエル像をはじめ、たくさんの像が建てられている。
山口ザビエル記念聖堂の地図
基本情報
■名称:山口ザビエル記念聖堂
■読み方:やまぐちざびえるきねんせいどう
■ホームページ:山口ザビエル記念聖堂
■所在地:山口県山口市亀山町4-1
■問合せ:083-920-1549
観光情報
山口県グルメ情報
星★聖の名勝・史跡探訪記 『山口ザビエル記念聖堂』 編

なぜか影の薄い山口市

山口県というと、「唐戸市場」や「巌流島」などがある下関や、日本三名橋で知られる「錦帯橋」がある岩国、それに「秋芳洞」や萩の町並みなど、観光地が豊富なことで知られていますが、そんな見どころたっぷりの山口県にあって、どこか影が薄いのが、県庁所在地の山口市中心部です。

すぐお隣の湯田温泉こそ、温泉街としてその名が全国に知られていますが、観光地としての山口市は、周囲に有数の観光地が控えていることもあり、やや忘れられがちです。

山口駅から県庁へと続くメイン通りであるパークロード沿いにある亀山公園周辺には、「山口県立美術館」をはじめとして数々の博物館や資料館が集まっており、山口の文化や歴史を学ぶには格好の場所となっておるのですが、やはり目玉となるものがないからか、どこか地味な印象で、なかなか観光地として注目されず、決して見どころが無い訳ではないだけに、とても残念な感じです。

そんな山口市の亀山公園に隣接して建ち、市のシンボルとして、高台より時の鐘を市内に響かせているのが、『山口ザビエル記念聖堂』です。

山口ザビエル記念聖堂は、文字通り市の中心部に位置し、山口のシンボルとして、市民に愛される建物として、今も昔も広く親しまれています。


ザビエルゆかりの地、山口!

この山口ザビエル記念聖堂は、その名が示すとおり、日本にキリスト教をもたらした、あのフランシスコ・ザビエルを記念して造られた教会です。

みなさんご存知の、このフランシスコ・ザビエルは、
1506年4月7日、5人姉弟の末っ子としてスペインナバラに生まれました。

パリ大学に留学し、聖バルバラ学院で神学を学んだザビエルは、その後、同志である「イグナチオ」とともに、「修道会(イエズス会)」を立ち上げました。

布教活動に励む中、滞在中のマラッカヤジローと出会ったことをきっかけに、1549年8月15日薩摩国祇園之洲あたりに上陸したザビエルは、わずか2年余りの滞在期間の間に、積極的に布教に励み、ここ山口にも立ち寄ることとなりました。

現在、ザビエルが最も長期間滞在し、ザビエルゆかりの地として知られる山口県は、ザビエルの故郷ナバラ州と友好・姉妹提携を結んでおり、役場には、ナバラの文化の紹介や問合わせに応じる国際交流員まで駐在しています。


聖堂を襲った突然の悲劇!

そんなザビエルゆかりの山口に、1952年10月26日、フランシスコ・ザビエル来日400年を記念して、山口ザビエル記念聖堂が建てられました。

市内中心部の高台に現れた山口ザビエル記念聖堂は、ザビエルの故郷ナバラのザビエル城を彷彿させるロマネスク様式の重厚な建物で、威風堂々としたカトリック教会でした。

その後、信者のみならず、多くの市民に愛された山口ザビエル記念聖堂でしたが、1991年9月5日の夜半前に、突然の悲劇がこの聖堂を襲いました。

原因不明の出火により建物が消失してしまい、高台にそびえていた山口のシンボルは、一夜にしてその姿を消してしまいました。

当時を知る地元の方は、一瞬にして起こったこの惨劇を振り返り、なすすべも無く、ただただ燃えゆく聖堂を見守るだけだった・・・と、当時のことを振り返り語ってくれました。

キリスト教信者のみならず、山口市民にとっても大きな痛手となったこの事件以後、山口ザビエル記念聖堂の再建を願いつつも、なかなか思うようには進まなかった再建への道のりも、山口市民をはじめ、全国から送られた再建への熱いメッセージを受け、6年半の時を超えて、1998年4月29日に、現在の新聖堂が誕生することとなりました。


生まれ変わった、山口ザビエル記念聖堂

新たに生まれ変わったこの山口ザビエル記念聖堂は、およそ歴史ある教会らしからぬ斬新なデザインが特徴的で、訪れた者を驚かせ、旧聖堂以上に記憶に残るデザインの建物となりました。

斬新なデザインの教会といえば、丹下健三氏が手がけた、最高傑作の名が高い、「東京カテドラル聖マリア大聖堂」が有名ですが、この山口ザビエル記念聖堂もまた、そのインパクトにおいては、決して引けをとらないくらい、先進的なデザインの建築物となりました。

ロマネスク様式の、重厚なイメージの旧聖堂を懐かしむ人からは、その面影も感じさせないデザインに、疑問符をつける方もいらっしゃいましたが、「信仰というものは、過去に限られるものではなく現代に生きるもの・・・」というコンセプトから誕生した、この近代的建築物は、 コンスタンティノ・ルッジェリ神父ルイジ・レオニ氏の両氏が協力してデザインしたもので、延床面積465坪、総工費18億円を投じた、巨大な三角錐の屋根と、高さ53mの天を突き刺す2本の塔がとても印象的な建築物となりました。

もし旧聖堂をイメージして再建されたとしたならば、設備こそ上回ることは出来たとしても、おそらく多くの方が、旧聖堂は良かった・・・と懐かしみ、建築物として旧聖堂以上の輝きを見せることはなかったことでしょう。

しかしながら、ここまで前衛的なデザインの聖堂に生まれ変わるとは・・・、どれだけの方が想像できたことでしょうか。


現代に生きる、考え抜かれたそのデザイン!

正面から見ても側面からも見ても三角形に見えるという凝った造りのこの山口ザビエル記念聖堂の巨大な三角屋根は、聖書に登場する神の幕屋(まくや)と言われる、移動式のテント状の神殿をイメージしてデザインされたものであり、不等辺なところがとても心にくいものとなっています。

左右異なるデザインで、一見聖堂と一体化して見える2本の塔も、実は中庭に独立して建つ建築物となっており、このことが三角錐の屋根と相まって、見る角度により様々な表情を見せる、実に考え抜かれたすばらしいデザインの建築物となっています。

建物内部は、1階がザビエルの日本での布教活動やキリスト教伝来の歴史などを紹介する「クリスチャン記念館」となっており、2階が「礼拝堂」、中3階に「パイプオルガン」が配置されています。

実は、わたしはこの山口ザビエル記念聖堂を訪れるにあたって、再建されたということ以外、何も予備知識なしにこの地を訪れました。

自分の頭の片隅には、平戸の「聖フランシスコザビエル記念聖堂」のイメージがあり、坂を上って飛び込んできたこの聖堂のカタチに、驚きとともに、しばし足を止めボーっと眺めていたのを覚えています。

塔を基調として、中心にクロスを構え、ほぼ左右対象のシンメトリーな造りが一般的な教会デザインにあって、この山口ザビエル記念聖堂のデザインは、中心がズレ、すべてが不規則で非対称な上、教会的な装飾を一切排除し、直線と三角形による、絶妙なバランスのうえに成り立っているという、斬新かつ大胆な建築物の姿に、これが教会だということも忘れ、建築的観点で眺めいっていました。

コンセプトにある、「信仰というものは、過去に限られるものではなく現代に生きるもの・・・」という言葉をまさに形に表した建築物であり、昔にとらわれない教会建築の姿に、今を生きる信仰の心がみなぎっている・・・、そんな風に感じる建物でした。


アンバランスというバランスの上に成り立った教会!

そんな山口ザビエル記念聖堂の内部に、足を一歩踏み入れると、更なる驚きが待っています。

祭壇に向かって中央に通路が走り、左右対象に整然と椅子が並ぶ一般的な教会とはこれまた180度異なり、天井の形や勾配にはじまり、ステンドグラスのデザインや形、光を取り入れるスリットや照明の位置に中央ステージの形まで、外観以上に、日常感じる対象性や規則性をすべて打ち消すような造りとなっています。

一見不揃いにも思える絶妙な配置のもとに築き上げられたこの聖堂内部の空間は、教会であることを忘れさせてくれるくらい、考え抜かれたすばらしい建築物となっています。

真っ白な壁と、月や星が描かれ1つとして同じ形のない複雑な形のステンドグラスが、自在に光を操り、眩い光とガラスを通じて広がるブルーの光線が、独特の世界を築き上げています。

一般的な教会が、「荘厳」なイメージだとすれば、この山口ザビエル記念聖堂のそれは、「幻想的」という言葉がピッタリな感じの空間で、まるで万博のパビリオンの中にいるかのような・・・、すべてが全く新しい信仰の場のあり様となっています。

教会の中心とも言える祭壇も、一般的な教会が、中心に配し装飾しつくされているのに対し、驚くほど飾り気も無く、大きさも含めてシンプルすぎるほどシンプルでありながら、どこが中心であるかを自ら主張するかのような演出が施されており、その考え抜かれた造りは、実にすばらしい限りです。

わたしは、しばし椅子に座り、天井から降り注ぐパイプオルガンの美しい調べと、ステンドグラスから溢れ出るブルーの光に包まれながら、ただただ建物内部を見渡していましたが、今までどこの教会でも味わったことの無いこの感覚に、しばし心を奪われていました。

この感覚は、言葉でどう表現したらいいのか・・・、こうして記事を書いている今でさえ、ふさわしい表現が見つかりません。

建物内部が撮影禁止ということもあり、ここで内部の雰囲気をお伝えすることが出来ないのが残念ですが、それ以前に、この聖堂内部のすばらしさは、文字や写真では伝わらない気がします。

これだけは、実際に訪れて体験して頂くしかない・・・、そんな感じの教会です。

それくらい、外観のイメージを裏切らない内部の演出であり、むしろ延長線上にあるこの聖堂内部のイメージが、外に出て、帰り際に振り向く際の外観のイメージを、更に引き立ててくれます。

とにかくすべてが新しい、既成概念を打ち消すような教会となっている、山口ザビエル記念聖堂ですが、あえてひと言で言うならば、アンバランスというバランスの上に成り立っている、どれかワンピースでも狂うと、すべてが崩れてしまうような、それほど絶妙な不規則性の中に、ここというバランス点を見つけ出しているような・・・、ギリギリの一点の上に築き上げられた幻想的な建築物です。

うまい表現が見つかりませんが、是非とも、山口市のシンボルにして、教会としても、建築物としてもすばらしいこの山口ザビエル記念聖堂を訪れ、ご自身でこの言葉に出来ない雰囲気を感じとってみてください。
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