前山寺 (長野)---国内旅行観光ガイド『名勝・史跡★百景』

長野県旅行観光ガイド『前山寺』

Vol . 118

前山寺

（長野県上田市）

‐　Nagano　‐

長野

Presented By 星★聖

前山寺（長野上田）

■国内旅行観光ガイド『名勝・史跡★百景』 > 前山寺

前山寺をご覧になるにあたって

前山寺の評価

旅シュランの説明を見る

■ 前山寺とは？
長野県上田市の別所温泉近くの独鈷山麓にある、812年に弘法大師が、護摩修行の霊場として開創したと伝わる真言宗智山派のお寺。冠木門から真っ直ぐと伸びる参道は、四季の移ろいを感じさせ、桜・藤・牡丹・ツツジ・紫陽花、そして紅葉と、花に囲まれた趣のあるお寺である。　間口十間、奥行八間の木造萱葺きの本堂には、御本尊である大日如来が安置され、二層・三層の四方に貫が突き出ていながら窓や扉、廻廊に勾欄などが無い、室町時代初期の建造とされる、三間三重で柿葺き屋根の高さ19.5mの三重塔は、造りかけながら見事な調和を見せていることから、「未完成の完成の塔」と呼ばれ、1950年8月25日に国の重要文化財に指定されている。

おすすめシーズン
1月	2月	3月	4月	5月	6月	7月	8月	9月	10月	11月	12月
			桜	牡丹・ツツジ・藤		紫陽花			紅葉

「未完成の完成の塔」の二層と三層にある、四方に突き出た貫に注目！ケヤキの大樹がある「冠木門」や、前がかりな造りの「薬医門」にも注目！藤や牡丹も良いけど、客殿近くの「榮尚しだれ桜」が素晴らしよ！
～前山寺編～

前山寺の見所

冠木門から続く参道並木	ケヤキの大樹	薬医門のしだれ桜
約100m続く参道の両脇には、樹齢300年～400年で高さ20m余りの松や桜の老木と、同樹齢の切株が見受けられることから、かつては松並木だったとされる。	前山寺の黒門とも言われる冠木門に着くと、まず樹齢700年のケヤキの大樹が目に飛び込んでくる。なんとも言えぬカタチをしており、思わず仰ぎ見てしまう。	薬医門のしだれ桜。花見シーズンには、実に絵になる光景をつくりだし観光客を喜ばす。境内には、ソメイヨシノや山桜、ウコン桜なども植えられている。


薬医門		本堂
冠木門から真っ直ぐに伸びた参道上にあり、門をくぐると正面に三重塔がある。薬医門はやや前がかりな屋根が特徴なので、屋根の位置に注目！		間口十間、奥行八間の木造萱葺きの本堂には、御本尊である金剛界大日如来が安置されている。土地柄にあった造りで好感が持てる。


鐘楼堂	三重塔	明王堂と三重塔
2002年9月に建立された木造瓦葺きの鐘楼堂には、外口径が約88cm、重さ825kgの梵鐘が吊るされている。鐘の音がとても似合う境内だ。	二層・三層の四方に貫が突き出ていながら窓や扉、廻廊に勾欄などが無い、三間三重で柿葺き屋根の高さ19.5mの三重塔。国の重要文化財。	三重塔の側には、木造瓦葺きの明王堂があり、その奥には茶室もある。本堂もそうだが、どこまでも主張せず自然に溶け込む造りの建築物がとても良い感じ。


未完成の完成の塔	パッと見ではわからない	塩田城の鬼門の地
日光東照宮の陽明門の逆柱のような「未完の完」としては、あまりにも未完成過ぎるわけで、やはりちょっと異なる感じ。でもここが意外な着地点だったり？	こうして眺めていると、パッと見では均整のとれた美しい塔に見えるが、やはり横板がはめ込まれただけの二層・三層が、あまりにもシンプルすぎる。	空海が開創した後、長秀上人が善通寺より正法院を移し開山したのが、塩田城の鬼門にあたるこの地だった。ここから塩田城跡へは遊歩道が整備されている。


榮尚しだれ桜
まだまだ若く老木の域には達していないものの、花の見せ方、表現の仕方を知っているような木で、実に見事な花を咲かせる榮尚しだれ桜。この美しさを表現するのに言葉はいらない・・・。これからますます楽しみな桜であり、前山寺を訪れる楽しみが増していく感じ。