和歌山県旅行観光ガイド『青岸渡寺
青岸渡寺 Vol . 101
青岸渡寺
(和歌山県 東牟婁郡那智勝浦町)
‐ Wakayama ‐
和歌山
Presented By 星★聖
青岸渡寺(和歌山 那智勝浦)
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青岸渡寺の評価
青岸渡寺の評価
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■ 青岸渡寺とは?

 和歌山県の那智勝浦町にある天台宗の寺院で、西国三十三箇所観音霊場の第一番札所。2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として世界遺産となる。
 4世紀にインドから漂着した裸形上人が、那智山での修行中に滝壺より現れた観音仏を安置するお堂を建てたのが始まりで、その後、生仏上人が玉椿の木でご本尊となる高さ3mの如意輪観音像を刻み、この中に黄金の観音仏を胎内仏として納め、それを安置する如意輪堂を建立した。やがて勅願寺となり熊野信仰の舞台の中心として、蟻の熊野詣と言われるまでに信仰が広まった。
 明治の廃仏毀釈においても如意輪堂は難を免れ、後に名称を青岸渡寺と変え現在に至っている。
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南紀で一番古い建物でもあるかつての如意輪堂をじっくり見よう!
蟻の熊野詣と言われるまでに信仰が広まった熊野信仰を理解しよう!
三重塔はいつもと違った角度で眺められ、ある意味貴重な体験だよ!
~ 青岸渡寺 編 ~ 温泉マイスター 星★聖(ほし たかし)
青岸渡寺の見所
熊野古道 那智山青岸渡寺 観音立像
熊野古道 那智山青岸渡寺 観音立像
大門坂を登りきると、那智大社とこの青岸渡寺にたどり着く。昔の人が並々ならぬ思いで霊場巡りを行ったかは、苦労して登ってこそ理解できるもの。 明治の廃仏毀釈において、あわや取り壊されるところだったかつての如意輪堂、それがこの青岸渡寺。那智山青岸渡寺となったのは、そんなに古い話ではない。 本堂と同じように、この観音立像の前で足を止め見上げてお祈りを捧げる人の姿が目につく。お顔が素晴らしいとのこと。
西国三十三箇所観音霊場 第1番札所 三重塔と那智滝 那智滝
西国三十三箇所観音霊場 第1番札所 三重塔と那智滝 那智滝
那智大社や三重塔とは全く異なる、一番札所らしい歴史の重みと、霊験あらたかな雰囲気を醸し出す造り。 三重塔と遠方に那智滝を望む贅沢な光景。この光景を眺めるのが、青岸渡寺を訪れる楽しみのひとつでもある。 日光の華厳滝とともに、知らない人はいないというくらい有名な落差133mの滝。那智川上流にある四十八滝の一ノ滝で、飛滝神社の御神体になっている。
三重塔越しの那智滝 三重塔 布袋さま
三重塔越しの那智滝 三重塔 布袋さま
三重塔を上から見下ろして眺める光景は新鮮だ。この角度で眺められるところもそう多くは無いので、存分に味わいたい。三重塔越しに見る那智滝もいい。 高さ25mの三重塔で、1581年に焼失していた塔を、1972年に再建したもの。一層に不動明王、二層に阿弥陀如来、三層に千手観音菩薩が安置されている。 笑顔が素晴らしい布袋さま。家内安全、商売繁盛、交通安全、諸願成就、闘病平癒と、あらゆる願い事が叶うとのこと。
間近で間横から眺める 特別な朱色 四季の彩り
間近で間横から眺める 特別な朱色 四季の彩り
いつも見上げている塔を間横から、しかも間近で眺められる。なかなか同じ目線で眺められることはないので貴重な体験だ。是非違った視点で眺めてみよう。 青空に朱色が映える。厳島神社とこの三重塔の朱の映え方は、気のせいと言われても特別な感じだ。本堂との色彩のギャップがまたたまらない。 季節の花に囲まれた三重塔も美しい。塔が一層輝いて美しく感じる。
青岸渡寺の地図
基本情報
■名称:青岸渡寺
■読み方:せいがんとじ
■所在地:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山8
■問合せ:0735-55-0001
観光情報
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星★聖の名勝・史跡探訪記 『青岸渡寺』 編

自然と足が向くそのお寺とは・・

熊野三山の1つとして知られる「熊野那智大社」(くまのなちたいしゃ)。

その熊野那智大社を詣でる際に、自然と立ち寄っているひとつのお寺があります。

なんで神社とお寺がいっしょなの?と不思議に思う方がいる一方で、多くの方が、熊野那智大社に隣接している為に、流れのままにあまり神社とお寺という意識も無く、自然とお参りしている感のあるこのお寺が、「西国三十三箇所観音霊場」の第一番札所である、『那智山青岸渡寺』(なちさん せいがんとじ)です。

熊野那智大社をお参りすると、自然と足が向くこの那智山青岸渡寺は、神社とお寺が密接に関係しあっていた神仏習合時代の名残で、那智詣の一環として、知らず知らずにみなさんお参りしていかれます。


蟻の熊野詣

この那智山青岸渡寺が、天台宗のお寺として那智山青岸渡寺という名称で呼ばれるようになったのは、明治時代の初め頃からでした。

それ以前の那智山青岸渡寺は、ひとつの「如意輪堂」(にょいりんどう)として、神仏習合の「熊野権現」(くまのごんげん)の中心的存在としての役割を担っていました。

もともとは、前方後円墳が有名な仁徳天皇の時代の4世紀に、インドから漂着した「裸形上人」(らぎょうしょうにん)が開基したと伝えられている那智山青岸渡寺ですが、その後、聖徳太子が活躍した推古天皇の時代に、玉椿の木より造られたという、高さ3mのご本尊 「如意輪観世音」を安置する如意輪堂が建立され、勅願寺として、「熊野信仰」の舞台の中心となっていきました。

その後、平安~鎌倉時代には、多くの人々が行列をなして、この熊野へと行き来をしたことから、その有り様を蟻の行列に例えて、「蟻の熊野詣」と言われるまでとなり、熊野信仰の広まりとともに、その存在も全国に知られるところとなりました。

特に、「花山上皇」に至っては、那智の滝の上方の山中に草庵まで設けて、3年間も御修行をなされ、修行後にこの地より、西国三十三箇所観音札所巡りをなされたこともあり、このことにより、現在この那智山青岸渡寺は、西国三十三箇所霊場の第一番札所となっています。

そんな如意輪堂(現:那智山青岸渡寺)だったのですが、明治時代の神仏分離による廃仏毀釈により、神社の道を選択し仏教を排した熊野権現(現:熊野那智大社)において、取り壊しこそ免れたものの、一時は仏像なども他の寺に移され、この如意輪堂は空堂とされました。

その後1874年に、信仰する庶民の願いや、西国三十三箇所霊場の第一番札所としての存在もあり、那智山青岸渡寺として独立復興され、現在に至っています。


秀吉寄進の大鰐口!

現在でこそ、熊野那智大社の前に、やや存在感が薄れてしまっている那智山青岸渡寺ですが、その本堂である如意輪堂は、熊野権現の中心的存在であった時代より、何世紀もの時を経て現在に至っています。

高さ18mで、入母屋造りの現在の本堂(如意輪堂)は、「織田信長」により焼き討ちにあったお堂を、後の「豊臣秀吉」が、天下統一した年の1590年に、「尼ヶ崎茂兵衛」に命じて再建させたもので、桃山様式を色濃く残す建築物となっています。

見るからに歴史を感じる、時の重なりでしか出せないであろう色合いをしたこの本堂は、現在、南紀で一番古い建築物となっており、国の重要文化財にも指定されています。

また、この本堂には、再建の際に豊臣秀吉から寄進されたという「大鰐口」(おおわにぐち)が吊るされており、その直径は1.4mにも及び、重さにおいては450㎏!と、日本一の大きさを誇るとも言われています。

お参りの際には、ちょっと見上げて、この大鰐口の大きさを確認してみてください。


ひとつの錯覚!

那智と聞いて、多くの方が真っ先に思い浮かべるのが、「那智の滝」と呼ばれる、「那智滝」(なちのたき)ではないでしょうか。

日本三名瀑」として知られ、「那智四十八滝」の代表であり、「一の滝」、「三筋の滝」とも言われるこの那智滝は、多くの方に親しまれ、那智観光の目玉として、雑誌やポスターなどで、一度はその姿を目にされているかと思います。

そんな那智滝の写真を見る時、これまた必ず登場するのが、滝を背にした「三重塔」の姿です。

山々の緑に、眩いまでの朱色が映えるこの美しい三重塔ですが、実は、この三重塔を見る時、ひとつの錯覚に襲われます。

神仏習合の名残から、熊野那智大社と那智山青岸渡寺という社寺の関係において陥る、ちょっとした錯覚なのですが、この三重塔、当たり前のことですが、仏閣のひとつとして、現在では那智山青岸渡寺の伽藍のひとつに数えられています。

しかしながら、色が朱色で、熊野那智大社と同じ色をしていることや、敷地の境界がハッキリしないことなどから、熊野那智大社の建築物だと一瞬思ってしまいがちなことです。

知識として、三重塔 ≫ 仏舎利塔 ≫ お寺 ということはわかっていても、目の前の光景と知識がすぐには結びつかず、言われてみれば・・・という感じになってしまいます。

もともと、熊野権現として、いっしょだったことを考えれば、納得のいくことではありますが、そのことを抜きにしても、色が同じ・・・という、単純な思い込みをしてしまいがちです。

同じような感覚に陥ったのは、世界遺産である、安芸の宮島の「厳島神社」を訪れた時でしょうか。

厳島神社の舞台から隣接する五重塔を眺めていた時にも、すぐにはピン!とこなかったことを思い出します。

なかなか塔というものの存在意義はわかっていても、視覚的に色が同じ・・・という感覚が先を行ってしまい、ちょっとした錯覚に陥ってしまいがちです。

お寺が、茶系の木の色が多く、朱色は神社・・・という、一般的な思い込みがそうさせているのかもしれませんが、似た様な経験はあちこちでしているようにも思えます。


それぞれの熊野詣

古くから熊野詣は、「己を見つめ直す旅!」だと言われてきました。

日本一の那智大滝を中心とした、大自然に囲まれた霊験豊かな信仰の場は、己に執着することから生じた煩悩による、さまざまな悩みや苦しみから、己を解き放つべく機会を与えてくれます。

熊野の大自然の中に身を投じ、心身を清め、己を見つめ直すことにより、それらの煩悩から開放され、新しい自分を見つけ出すことができる・・・、そんな機会を与えてくれるのが、この熊野詣最大の御利益とされてきました。

皇族の方を含め、古より多くの方が足を運んだ熊野詣、現在でも多くの観光客にまじり、毎日のように札所巡りを行う者の姿や、修験道を極めるべく山中を巡る修験者の姿が見受けられます。

アクセスが楽になり、誰でも簡単に訪れることができるようになった現在、熊野詣を行う目的は個々に異なり、単なる観光目的の方がほとんどだとも思いますが、自分にあった形で、新しい自分探しの旅に、あなたも西国三十三箇所霊場 第一番札所である那智山青岸渡寺を、訪れてみませんか。
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