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定山渓温泉

定山渓温泉に宿泊するならこの宿！

翠山亭倶楽部定山渓

翠山亭倶楽部定山渓

この「翠山亭倶楽部定山渓」は、“大人の休日を贅沢に過ごすための宿”として、「食」「湯」「寛」に心を込めておもてなしをすることをコンセプトに生まれた宿だ。このことはホームページをはじめ、あらゆるところで謳われている。

ひっそりと佇む隠れ家風なエントランスとのことだが、やはり「倶楽部」という名がピッタリの印象で、どこかの貴族や財閥の別荘に招かれたかのような心持ちで、エントランスに向かうこととなる。貴族の館にしては少々遠慮がちに思える玄関だが、一歩中に入るとやはりそうだ、間違いなく貴族の館であり「倶楽部」の名が相応しいつくりだ。

そこには非日常的な、光を操ったアートフルな空間が広がっており、あちこち触って壊してしまったら…と心配になるほど、飾られているもの、置かれているものなど、目に飛び込んでくるもの一つ一つに目を奪われる。本来はＶＩＰ気分に浸れるはずなのだが、どこか恐縮ぎみになるのは育ちのせいだろうか…。

ゲストラウンジでは、到着から出発まで、コーヒーやソフトドリンクをはじめ、生ビールやカクテルなどの酒類までドリンクフリーとなっている。さすがに高級酒まではフリーとはいかないが、それでも一般庶民には驚きのサービスとなる。よくある湯上がりに一杯だけ…などという中途半端なサービスはここにはない。

夕食は、北海道の豊富な海の幸をはじめ選りすぐりの素材を活かした、一皿一皿丹精込めてつくられた季の懐石料理が楽しめる「懐石ダイニング」と、目の前で焼かれる特選牛に思わずよだれが出そうになる、ジューシーでアツアツの鉄板焼の「グリルダイニング」の2つの食事処がある。これが困りもので迷ってしまう。贅沢な悩みと言えばそれまでだが、本当に悩んでしまうから困るのである。思わず連泊できれば…と。

3本の源泉がブレンドされた湯が引かれる大浴場と露天風呂は、もちろん源泉100％のかけ流しである。3本の源泉がブレンドされた方が良いのかは正確にはわからないが、少なくとも湯量は豊富になっているわけで、それだけ鮮度は格段に上がっているはずである。ましてこの客室数でこの人数なら尚更だ。

このブレンドされた湯はすべての客室にも引かれており、贅沢なつくりの総檜造りの内湯にて、ゆっくりとナトリウム－塩化物泉の定山渓の湯を楽しむことができる。こちらももちろん源泉かけ流しで、檜の木の香りがなんとも湯あみを楽しくさせてくれる。

ふと気づけば、はじめにエントランスで感じた、あの恐縮ぎみな感覚がすっかり消え去っている。いつからそうなったかはわからないが、まるで魔法にかかったかのように、いつしか自分がＶＩＰになれているから驚く。もちろんこの宿から一歩外に出れば、また凡人へと戻ってしまうわけだが、この宿にいる間は間違いなくＶＩＰになれるのである。

それが魔法だったとしても、いや魔法だったとしたら、それこそこの宿の「食」「湯」「寛」の心を込めてのおもてなしが素晴らしい証である。そんな魔法にかかりたくなるから、また「翠山亭倶楽部定山渓」へ行きたくなるのである。

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