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河津七滝温泉

河津七滝温泉に宿泊するならこの宿！

渓流温泉茶寮 水鞠

渓流温泉茶寮 水鞠

今や国内外で知られる「河津桜まつり」をはじめ、観光名所でジオスポットの「河津七滝」や、ダイナミックに2回転する「河津七滝ループ橋」などにより、"河津" の名は広く知られる所となったが、一方で "大滝温泉" "七滝温泉" はというと、どこ？となる。

豪快な流れを見せる、映画『テルマエ・ロマエ』にも登場した落差30mの「大滝」の下に湧く大滝温泉も、荻ノ入川沿いに湧く七滝温泉も、閑静な温泉地で秘境ムード漂う所だが、温泉地としての知名度は低かった。

かつて大滝温泉には「天城荘」と並び名物旅館だった、著名人もよく足を運んだ伊豆を代表する老舗旅館の「運龍」があった。伊豆青石を贅沢に使用した湯舟やこれぞ温泉宿！というおもてなしが自慢の宿だったが、2009年に突然倒産し閉館となった。Googleマップで今も残る建物の航空写真を見れば、いかに大きな宿だったか分かるだろう。

その後、今度は「天城荘」が2017年に民事再生法の適用となり、リバティーリゾートの傘下に入り再スタートをきったが、2023年正月に火災により宿泊営業が停止となってしまい、現在も外湯だけの日帰り温泉としての営業に留まっている。不況による荒廃が進んだ七滝温泉とともに大滝温泉も災難続きで、このエリアの温泉地は風前の灯火に思えた。

そんな時代背景もあり、個々の温泉地単独では宿泊施設数が激減したことや、大滝温泉と七滝温泉のエリアが被りわかりにくいこと、"河津"の冠による知名度アップによる活性化の意味合いもあり、河津川上流の渓谷に広がる温泉地をまとめて「河津七滝温泉」と呼ぶようになった。

また一方で河津町に存在する今井浜温泉・河津浜温泉・峰温泉・谷津温泉・湯ヶ野温泉・大滝温泉・七滝温泉を一括して、広義の意味で「河津温泉郷」という総称も誕生し、河津町全体でこのエリアも盛り上げていこうという機運が高まった。

ここでご紹介する『渓流温泉茶寮 水鞠』もそんな時代の流れに乗った温泉宿で、江戸時代の1865年創業の茶屋より老舗旅館として歴史を刻んだ「旬彩つりばし」を継承し、2022年に全4室の湯宿として生まれ変わった温泉旅館だ。

新たなスタートを切った河津七滝温泉を象徴するかのように、こじんまりとしつつも湯宿としての基本に立ち返り一歩一歩あゆみを進めて行くような、親切丁寧で一人一人のお客様へのおもてなしの心を忘れず、寛ぎと最高の想い出づくりの手助けをしてくれる…そんな宿となっている。

河津では古くより滝のことを「たるみ」と呼ぶ習慣があり、そこから河津七滝も「ななたき 」ではなく「ななだる」と読むのだが、河津七滝温泉の再興とととに、いつしか皆が自然と「かわづななだる」と読んでくれる日が来れば…と、切に願う次第である。

そんなことを言うやつもいたなぁ～と、せせらぎに耳を傾けながら『渓流温泉茶寮 水鞠』の湯舟で回想して頂ければと思う。

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