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河津温泉郷

河津温泉郷に宿泊するならこの宿！

玉峰館

玉峰館

静岡県の伊豆の河津町は、今や県内外だけでなく国内外からも多くの観光客が足を運ぶ、早い春を告げる「河津桜まつり」の舞台として知られる所だ。

河津桜が知られる以前は、ジャイアント馬場の得意技だった"河津落とし"のルーツとなる"河津掛け"の発祥の地として知られる程度だったわけで、一本の「河津桜原木」がこれほどまでに伊豆の小さな町を有名にするとは…と、昔を知るものからすると驚きだ。

そんな河津の町には古くから温泉が湧き、河津桜まつりのメイン会場となる河津川の河口～かわづいでゆ橋にかけて広がる温泉地を漠然と「河津温泉」と呼び、時に「河津温泉郷」と呼んでいた。

伊豆急行の河津駅より川下の眼前に河津浜が開け潮風が心地良い河津浜温泉、天を突き刺す東洋一の大噴湯の「峰温泉大噴湯公園」や「豊泉の足湯処」がある峰温泉、行基が開湯し1500年の歴史を刻む谷津温泉がこのエリアの温泉地となる。

この3つの温泉地は、広く一般には境も無く観光エリアとして一括りだったため、河津にある温泉地という意味で「河津温泉」と呼んでいたわけで、そこから狭義の意味での「河津温泉郷」となった。

それが最近になって、河津町にある今井浜温泉・河津浜温泉・峰温泉・谷津温泉・湯ヶ野温泉・大滝温泉・七滝温泉の全ての温泉地を括り「河津温泉郷」と呼ぶような動きが出てきて、ややこしくなった。

そうする理由も背景もわかるのだが、個人的には伊豆三大美浜の1つである今井浜海岸を抱える今井浜温泉と、『伊豆の踊子』の舞台となり川端康成ゆかりの宿となっている「福田家」がある湯ヶ野温泉、「河津七滝」で知られる大滝温泉・七滝温泉の総称である河津七滝温泉は明確にエリアが異なり、観光資源もコンセプトも色合いも違うわけで、独立して扱われてきた歴史を鑑みれば、今まで通り単独の温泉地とする方が自然な気がする。

それはさておき、そんな河津温泉郷にあって、旅情豊かな雰囲気と湯量豊富で鮮度抜群の至極の湯浴みが堪能できる宿となっているのが、この『玉峰館』だ。大正15年創業の湯煙情緒あふれる和モダンな老舗旅館なのだが、この宿なくして河津の温泉は語れなかったと言っても過言ではない宿だ。

実はこの『玉峰館』がある峰温泉の歴史は古く、なんと奈良時代にまで遡る。そのルーツなるのが「花田の湯」と呼ばれた霊泉だったのだが、いつしかその源泉は枯れてしまい、人々の記憶の奥底へと消え去ってしまった。

そんな幻となった霊泉を、4年の歳月をかけ大正末期の1926年に大爆音とともに掘り当て再興したのが、この『玉峰館』を創業した稲葉時太郎なのだ。天を突き刺す東洋一の大噴湯が噴出した1ヶ月後のクリスマスに、時代は大正から昭和へと移り変わったわけで、まさに新時代を切り開く源泉掘削となったわけだ。

それから一世紀、100年の歳月が流れた今、時太郎が掘り当てた峰温泉は人々の心身を癒すとともに、河津桜原木同様、この町の発展に大きく寄与してきた。

『玉峰館』では三菊湯と言われる、メタケイ酸が165.9mg/kgと豊富な峰22号のナトリウム－塩化物泉が利用されているのだが、現在の峰温泉は混合泉が主流で、湯量が豊富なことから今井浜温泉などにも供給されている。ちなみに混合栓にも含まれる峰2号という源泉は、メタケイ酸を204.2mg/kg含む温泉ツウも唸る至極の源泉となっている。

いずれにせよ狭義の意味での河津温泉郷は、湯量豊富で鮮度抜群、メタケイ酸も豊富に含まれる源泉が魅力の温泉地で、こと源泉に関しては伊豆屈指の温泉天国と言え、2つの自噴源泉を操る明治6年創業の老舗旅館の「離れ家 石田屋」や、100℃の源泉を利用した幻想的なナイトプールが人気の旧薬師の湯の「Amis Droles」など、源泉かけ流しにこだわるユニークな宿も多い。

是非「河津桜まつり」はもちろん、「河津バガテル公園」や「川津来宮神社」など河津を巡る旅の拠点として「河津温泉郷」の湯宿を利用して頂きたい。その際には、まずは『玉峰館』へ！

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