超穴場スポットが一転!? 観光名所に!
北海道の東部、「網走監獄」で有名な網走市の沿岸部に、オホーツク海に突き出たひとつの岬があります。私が最初にご紹介した2000年頃は、まだ眺望抜群の超穴場スポットだったのですが、今や網走観光の目玉にもなりつつあるその場所が、ここ「能取岬」です。
最初に訪れた時には、知らずに「のとり」と呼んでいたのですが、2回目にこの地を訪れた際に、地元の方に「のとろ」と読むということを教えてもらいました。アイヌ語で岬のところを意味する言葉である「ノッ・オロ」に由来するとのことで、つくづく旅を続けているといろいろと勉強になるなぁ~と思いました。
この能取岬は網走国定公園内にあり、網走市の中心市街地からは、クルマで20分くらいのところにあります。見渡す限りのオホーツクの大海原と、広く開けた大草原という対象的な光景が一度に楽しめ、360度どこを見渡しても気分爽快間違いなしの、実に北海道らしい景色が楽しめるスポットとなっています。
北海道の東海岸を訪れる際には、毎回この岬に立ち寄ることにしているのですが、始めの頃はなぜかいつ訪れても観光客が少ないところで、不思議なくらいの穴場スポットでしたが、最近では映画やCMのロケ地として知られるところとなり、雑誌やテレビでもあちこちで紹介され定番の観光スポットとなったようです。
特に"嵐~ARASHI~"を起用し放映された、2017年のJALのCMは絶大な効果があったようで、嵐人気と能取岬一色で作られ能取岬の魅力がぎっしり詰まった映像との相乗効果で、あの場所はどこだぁ~と、一躍知られるところとなったようです。
はじめにご紹介した頃は、こんな素晴らしい景勝地がもったいない…と、いつも言っていましたが、穴場的な名所も、もはやそんな感じではなくなったようです。
能取岬を訪れると、いつもほぼ独占状態で、この素晴らしい景色をプライベートガーデンとして満喫させてもらっていたので、そういう意味では少々残念な部分もありますが、観光促進を願う人間としては嬉しいかぎりです。やっときたか~という感じです。
クルマであれば、網走市内からのアクセスもそれ程難があるわけでもなく時間もかかりませんので、どんどん訪れてみてください!
感動のプロムナード
この能取岬の素晴らしさは、なんといっても限りない"開放感"です。特に能取岬に向かう一本道の演出がたまりません。何度ここを訪れても、例えこの先の景色がわかっており想像できていたとしても、この能取岬へ通じる道は、毎回必ず私を感動の世界へと導いてくれます。
林の中を抜け90度コーナーを曲がると、そこには緩やかに下る真っ直ぐな道が続いており、その先にオホーツクの海が開けています。見とれていると今度は一気に周りが開けて、草原に放り出されるような…そんな不思議な感覚に見舞われます。こんな道はここでしか味わえない、これぞ北海道!という演出です。
他にも北海道には感動的な道がいくつもありますが、この能取岬へ通じる道は、北海道でも屈指の感動のプロムナードであり、個人的にはNo.1だと思っています。
四季の変化が素晴らしい!
能取岬にたどり着くと、今度はその開放感に"四季の彩"が加わります。これも訪れるたびに期待を裏切らない演出を見せてくれ、毎回違った感動を与えてくれます。
夏は夏で青空の下、草原の緑とゆるやかな山の裾野、そして遠くに見える放牧の風景が、のどかでどこか牧歌的な世界をつくり上げてくれます。
一方冬は冬で、夏の色彩豊かな景観とは正反対の、オホーツクの海を覆いつくす流氷とどこまでも続く一面の雪原が、360度の銀世界を演出してくれます。
特に流氷に覆いつくされたオホーツクの海の光景は、生で見た者にしかわからない感動を与えてくれ、この世のものとは思えない、想像を超えたものがあります。
東京育ちの私のような人間には、北海道の開放的なスケール感や雪原だけでも感動モノなのに、この流氷の光景は、非日常の域をも超えそうな全くの別世界であり、とにかく特筆ものの素晴らしさです。
さすがに陸も海もすべてが白銀の世界に変わるこの冬の能取岬は、アクセスに難もありまだまだ訪れる方は少ないでしょうから、ひょっとしたら今でも岬一帯を、一人占め出来るかも知れませんよ!
シマシマ燈台に巨大なニポポ像!
能取岬の駐車場に着くと、そこから先へ遊歩道が伸びています。歩くなというのが無理なくらい、自然と足が進んでいく散策路となっており、左右に全く異なる景観を楽しみながら思い思いに歩いていける道となっています。夏は言うまでもなく、冬でも膝くらいまでの雪であれば逆に面白く、子供などは大喜びで飛び跳ねながら進んでいきます。
遊歩道の途中に、秋田の「入道崎」の燈台を思い起こさせるような、高さ20.73mで灯高57.23mの、1917年10月1日に設置された白黒ボーダーのツートーンカラーが印象的な「能取岬燈台」があります。かつはそのそばに、悠然とそびえる巨大なニポポ像があったのですが、老朽化のため今は撤去されてしまいました。
ニポポとは、アイヌ語で小さな木の子供という意味があるアイヌの郷土玩具で、八角形の胴と丸い顔が特徴的なこけしのような人形をいいます。ニポポ像前は、あれこれ角度を変えながらシャッターを切る姿が見受けられる定番の記念撮影スポットだっただけに、撤去されてしまったことが残念でならないのですが、クラウドファンディングでもなんでもよいので、再建されないかなぁ~とずっと思っています。
そんな灯台を横目にぐるりと一周できるこののどかな遊歩道は、手軽に北海道らしい景色を満喫できる道としてかなりおすすめです。あのJALのCMのように、いろんな楽しい写真が撮影でき、みなさんも"嵐~ARASHI~"になれる瞬間がここにあると思います。
個人的には、知床に行くにもサロマ湖方面へ抜ける時にも、網走を通る際には素通りできない場所となっており、毎回今日はどんな感動を与えてくれるのかな…と、楽しみに訪れる場所となっています。
みなさんも網走に来たら、「博物館網走監獄」だけでなく、是非この能取岬も訪れてみてください。絶対に後悔しないスポットですよ!