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大沢温泉

大沢温泉に宿泊するならこの宿！

大澤温泉 野天風呂 山の家

大澤温泉 野天風呂 山の家

「田んぼをつかった花畑」や「那賀川沿いの桜並木」で知られる県道15号 下田松崎線を下田方面へと進んで行くと、やがて左手に「道の駅 花の三聖苑伊豆松崎」が見えてくる。この道の駅辺りから上流に向けて開けているのが、大沢温泉だ。車やバイクであれば楽にアクセスできる、秘湯の温泉地だ。

大沢温泉の歴史は江戸時代にまで遡り、那賀川沿いに湯煙が立っていたのを見つけた村人たちが、伊豆石で囲んだ湯舟を造り皆で利用したのが始まりとされる。10代将軍 徳川家治の時代で、静岡ゆかりの相良藩主にて老中をも兼任した、あの田沼意次による重商主義の時代が始まった頃の話である。

ここにかつて「大沢温泉ホテル 依田之庄」という、1961年創業の旅番組などに度々登場していた、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような庄屋屋敷を改築した名旅館があった。

なまこ壁の味噌蔵・米蔵・道具蔵が建ち並び、露天風呂には総桧造の湯舟が並んだ重厚な造りの湯宿で、"化粧の湯" "美人の湯"と言われた大沢温泉の湯を求め、多くの女性客がこの宿を目指し西伊豆へと足を運んでいたのだが、2014年6月より休業となり2017年に破産。惜しまれつつも廃業となってしまった。

その後、俄かに注目を集めるようになったのが、温泉ツウが足繁く通っていた『大澤温泉 野天風呂 山の家』だ。ここの魅力は何と言っても、"化粧の湯" "美人の湯"として親しまれてきた低張性で弱アルカリ性の「カルシウム・ナトリウム - 硫酸塩泉」の湯が、贅沢にも足下から湧くという、かつて村人たちが川原に伊豆石で造った湯舟を彷彿させる、温泉ツウ好みの自噴泉の露天風呂があることだ。

抜群の鮮度を誇ることから、地元ではその透き通ったシュワシュワ感のあるお湯を "適温炭酸泉" と呼び、成分的にも美肌効果が高いことから、以前より温泉ツウが注目していた施設だった。

主に立ち寄り湯として営業しており、今も基本的には変わらないのだが、2007年にここに湯治客向けの簡易的と言っては失礼なのだが、自炊による素泊りの宿泊施設が併設された。

あくまでも療養目的の滞在用の部屋なので、普通に宿泊されたい方は、「民宿 なか川」や近くの桜田温泉・松崎温泉をおすすめする。

尚、以前は道の駅に「かじかの湯」という日帰り温泉施設があり重宝していたのだが、現在は閉館となり、代わって先程ご紹介した「大沢温泉ホテル 依田之庄」を松崎町が日帰り温泉施設として整備し、2020年12月27日にオープンしている。

かつての重厚な趣は無いが、「道の駅 花の三聖苑伊豆松崎」から歩いて5分ほどの距離なので、是非立ち寄ってみて欲しい。お花見シーズンなら、那賀川沿いの桜並木を愛でながら歩けば、あっと言う間に着くはずだ！