強羅温泉のおすすめの宿ランキング

強羅温泉

強羅温泉に宿泊するならこの宿！

強羅花扇

強羅花扇

強羅温泉は、1894年より草原を切り開いて分譲開発を行ったわりには、坂が多いこともあるが、通りが入り組んでいてごちゃごちゃした印象だ。

なかなかクルマでアクセスするとわかりにくい宿も多いのだが、この『強羅花扇』は県道734号沿いでわかりやすく迷うことなない。

また箱根登山ケーブルカーや箱根ロープウェイの早雲山駅にも近く、駅から100m足らずの所に宿専用の斜行エレベーターがあり、観光地巡りの後に訪れるにもアクセスが良く便利な所だったのだが…、と過去形なのは、2019年10月の台風19号の影響で、利用できなくなっているからだ。いずれ再開されるだろうが、執筆時点ではまだ復旧されていないようだ。

ちなみにその斜行エレベーターに向かう正面には「強羅花扇 早雲閣」があるのだが、こちらも台風19号による土砂崩れにより閉館となってしまった。自然が相手なので仕方ないことだが、残念でならない。

『強羅花扇』で印象的なのは、ぬくもり・やさしい香り・そのおもてなしだ。

冬でもぬくもりが感じられ、素足で歩くと気持ち良い畳敷きの回廊やエレベーター、玄関ロビーの吹抜けに見る千本格子のシャンデリア、神代欅の囲炉裏、和紙を通じたやさしい灯り等々、天然木の香りが漂う館内には、くつろぎの空間が広がっている。

客室もまたしかりで、神代欅を使った古民家のような設えがなされていて、スタイリッシュなハイクラスホテルとは一線を画す雰囲気だ。

大浴場は、内湯に寝湯、外に陶器風呂、そして一段下がって露天風呂があるのだが、信楽焼の陶器風呂がほどよい視界の広さもあって気持ちが良い。個人的にはおすすめだ。

そして料理はというと、月替わりの心づくしの懐石料理が登場する。箱根では珍しい最高ランクの飛騨牛が登場するのだが、なんで飛騨牛が…とお思いの方もいることだろう。

実は『強羅花扇』のルーツは、1971年に飛騨高山で開業した民宿「いいやま荘」にある。この民宿を足掛かりに「飛騨亭 花扇」「花扇別邸 いいやま」と、次々に高山エリアで最高ランクの温泉宿を営みながら"おもてなしの心"を磨いていった花扇グループが、満を持して日本を代表する温泉地である箱根へと乗り出したのが、2009年3月に開業したこの『強羅花扇』なのだ。

その後2010年3月に「強羅花扇 早雲閣」、2014年12月には「強羅花扇 円かの杜」を次々と開業して行くわけなのだが、そんなことから飛騨高山は『強羅花扇』にとっては地元のようなもので、ここから最高ランクの飛騨牛でのおもてなしへと繋がるわけだ。

ちなみに客室の古民家のような設えも、飛騨高山にそのルーツがあると思えば、ガッテン！ガッテン！となるわけだ。

今回の強羅温泉の宿の紹介にあたっては、『強羅花扇』か「強羅花扇 円かの杜」か甲乙つけがたく悩んだ。だが真新しさでは「強羅花扇 円かの杜」に一日の長があるのかもしれないが、私は"おもてなしの心"を持って箱根で勝負に出た、その心意気が感じられる『強羅花扇』をまずおすすめしたい。

1919年に小田原電気鉄道の鉄道線が強羅駅まで開通してから100年の時が流れ、強羅温泉は高級旅館がしのぎを削る激戦区となった。箱根にあって、しかも激戦区の強羅温泉で、10年以上に渡って第一線を走り続けるのは容易なことではない。

高みを目指すことも大変だが、それを維持することはもっと大変なわけで、オープン当初はなかなか厳しい意見も聞かれたが、今や押しも押されぬ箱根を代表する温泉宿となっているこの『強羅花扇』は、心にパッと花が咲く宿になっており、自信をもっておすすめできる素晴らしい温泉宿だ。

今日も上質な飛騨牛が、お客様の舌を唸らせていることだろう…

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