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1000年以上の歴史ある湯
日本一の砂丘として知られる、「鳥取砂丘」がある鳥取市の市街地から、少し離れたところに、ひとつの鄙びた温泉場があります。
温泉街と言うには、あまりにも寂しすぎるこの温泉こそ、961年に発掘されたという歴史ある温泉場で、かつては多くの人で賑わったという 『吉岡温泉』です。
昔、この地方に住んでいたひとりの長者が、薬師如来のお告げにより田を掘り返したところ、湯が沸いて出たと伝わるこの吉岡温泉は、かつては、鳥取藩主であった池田氏の湯治場としても知られ、「因幡三湯」として広く知られるところでした。
しかしながら、温泉が掘り起こされてから、1000年以上の時が過ぎ、この吉岡温泉は、人気の温泉地がひしめいている山陰地方にあっては、すっかり影が薄くなり、今では訪れる方もかなり減ってしまいました。
昔の古き良き時代の温泉街の姿が色濃く残るこの吉岡温泉は、現在では、温泉通にとっての、密かな楽しみの湯となっています。
なんとも形容しがたい、吉岡温泉館
吉岡温泉には、「上湯」と「下湯」という、2つの源泉があり、微妙に違いがあるようです。
そんな中わたしが訪れたのは、上湯の「吉岡温泉館」というところでした。
この吉岡温泉館は、小さな旅館が建ち並ぶ、こじんまりとしたこの吉岡温泉の、ほぼ中央に位置する公衆浴場で、道路と道路に挟まれた、細長いコンクリート造の建物となっています。
その独特の立地条件により、吉岡温泉館には、両方の道路に面して入口が2つ設けられており、建物の真ん中が筒抜けとなっていて、あっけらかんとした雰囲気が漂っています。
床も壁も傷みがひどく、かなり老朽化しており、鄙びたというには、コンクリートの外観はふさわしくなく、なんとも形容しがたい雰囲気のつくりとなっています。
箱根だ、湯布院だの、流行の温泉をイメージして来館された方は、まずこの光景を見て引き返すと思える吉岡温泉館の建物は、この温泉場の歴史を今に伝えています。
わたしが心配するまでもなく、流行の温泉を求めている方々は、それ以前に、この吉岡温泉には近づくことはないと思いますが、そうでない方であっても、一瞬たじろぐのではないでしょうか。
そういうわたしも、たじろいだ一人ですが、どんな湯なのか?知りたい一心で、入館しました。
文字通り、裸のお付き合い!
わたしは、夏場にこの吉岡温泉館を訪れたのですが、当然エアコンなどありませんから、更衣室、浴室と窓が全開な状態でした。
通りのおばちゃんとは目が合うし、向かいの建物からも丸見え・・・という感じで、文字通り「裸のお付き合い!」という感じの温泉でした。
湯で温まったら、タオル引っ掛け、窓越しに通りの人と会話をしたり、扇風機にゆっくりあたりながら、通りの様子を伺う・・・というような、昔ながらのノスタルジックな温泉場でした。
そんな中、ブルーのタイル(男湯)を基調とした、この建物にしては、ちょっときれな感じの湯舟には、源泉かけ流しのお湯がはられ、湯気が濛々とたっていました。
この吉岡温泉のお湯の泉質はかなり良く、このような外観にもかかわらず、さすがに仕事帰りに、地元の方が大勢入りにくるわけだ・・・と、納得のいくものでした。
ただ、夏場だったせいもありますが、お湯がかなり熱め(源泉50度、湯温45度)で、長湯はとてもできませんでした。
冬場は、入るまでが大変そうですが、つかればかなり温まり良いかもしれません。
シャンプーや石鹸なんてあるわけも無く、販売すらしていないこの吉岡温泉館ですが、温泉通の方は、一度訪れてみる価値はあると思います。
決して万人受け、いやほとんどの方には受け入れられない温泉場ですが、温泉通を名乗る方だけに、特にオススメします。
蛍の里としても知られ、初夏には、そんな蛍目当てのお客さんも居たという吉岡温泉、NHKの「小さな旅」に出てきそうな、そんな感じ・・・というのが、一番この温泉場の雰囲気を伝えるにはピッタリな気もしますが、くどいようですが、温泉通の方だけにオススメする温泉場です。
| ■ 吉岡温泉 〜 星★聖 の ひとこと 〜 |
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「吉岡温泉」は、ちょっと変わった温泉を求める温泉通の方だけにオススメします! |
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