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城崎温泉 Vol . 38 城崎温泉(兵庫県)
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城崎温泉 兵庫
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兵庫県北部の日本海に程近い、「山陰海岸国立公園」内にある温泉地、それが、『城崎温泉』(きのさきおんせん)です。近くには「円山川」が流れ、川沿いを山陰本線が走っています。
 
城崎温泉 桜並木城崎温泉は、JR城崎駅から、「大谿川」(おおたにがわ)沿いに開けた温泉街で、東西約1km、歩行距離で1.5kmといった、歩いて巡れる温泉地です。
 
志賀直哉」の小説「城の崎にて」で、その名をご存知の方も多いこの城崎温泉は、多くの観光客で賑わいをみせる温泉地なのですが、ことアクセスに関して言えば、高速道路からは遠く離れ、新幹線など程遠い、山陰の入口に位置しています。
 
しかしながら、そのアクセスの難しさが逆に、湯けむり情緒あふれる温泉地を、色濃く今に残しています。
 
わたしは「城の崎にて」の小説から、城崎温泉の名は知っていましたが、この温泉地がどこにあるのか、どんな温泉地なのかを知ったのは、社会に出、かなりの時が流れてからでした。
 
もし、この温泉地のことを知っていたならば、もっと早くに、「湯めぐり」というものの魅力に気付いていたのではないでしょうか。。。
 
 
 
コウノトリは知っていた・・
 
城崎温泉は、1400年近い歴史を持つ、歴史ある温泉地です。
 
城崎温泉 柳並木城崎温泉のその始まりは、629年に、この地の里人が、足を痛めた「コウノトリ」が、田んぼの一角に痛んだ足を浸していたのに気付き、数日後、元気に飛び立っていった姿を見て、その場に湧く温泉を見つけ出したことに由来します。
 
これが現在の「鴻の湯」で、この湯こそ、今ある城崎温泉の始まりの湯とされています。
 
その後、奈良・平安時代にかけて、「但馬の湯」として広く知られるところとなり、温泉地の発展とともに次々と外湯が出来ていきました。
 
 
 
七つの外湯めぐり
 
城崎といえば「外湯めぐり!」と言われるように、現在、この城崎温泉には7つの外湯があります。
順番に建替えられており、その面影は変わりつつも、古くから庶民に親しまれてきた外湯は、今も生き続けています。
 
城崎温泉 桜並木なんと言ってもその中心は「一の湯」で、この城崎の温泉街の中心に位置しています。
 
この「一の湯」をはさみ、まるでコウノトリが翼を広げるがごとく、温泉街の眺めが一変します。
 
桜並木や3階建ての木造旅館が点在する情緒ある町並みと、大谿川に架かる「愛宕橋」や「桃島橋」などの趣のある石橋と、川沿いの柳並木が風情ある温泉街を演出する町並みとに、その姿が分かれます。
 
この町並みの違いは、桜の時期になると、よりハッキリと、その様相を呈します。
 
花見シーズンの「まんだら湯」に抜ける大谿川沿いの桜並木は、それはそれは美しい限りで、ライトアップされた並木道を歩きながらの湯めぐりは、贅沢極まりないひと時を過ごせます。
 
一方の「王橋」からの、しだれ柳の大谿川沿いの並木道の眺めは、ふと倉敷の川べりの町並みを思い起こさせます。
 
白壁の町と温泉街・・・、似ても似つかぬはずの町並みながら、どこか通じるものを感じるのは、わたしだけでしょうか。
 
城崎温泉 一の湯そんな王橋の前にある「一の湯」は、「開運招福の湯」と言われ、江戸時代には、天下一の湯と称えられ、広くその名が知られました。
 
現在では、「合格祈願・交通安全の湯」としても、親しまれています。
 
そんな一の湯のすぐ並びにあるのが、「柳湯」で、中国の西湖から移植したとされる柳の木の下から温泉が湧いたとされる湯で、「子授けの湯」・「子授安産の湯」として親しまれています。
 
柳並木沿いに、さらに足を進めていくと、今度は、「衆生救いの湯」と言われる、「地蔵湯」があります。泉源から地蔵尊が出たとされる湯で、「家内安全・水子供養の湯」とされています。
 
JRの城崎駅前には、越屋根付きの黒い大きな屋根が印象的な、「ふれあいの湯」と言われ、「自然回帰の湯」とされる、「さとの湯」があります。こちらは現代的な温泉施設で、常に多くの人で賑わっています。
 
一の湯を挟んで反対側の旅館街の一角には、2005年7月に、近代的なお風呂にリニューアルされた、「御所湯」があります。
 
城崎温泉 まんだら湯1267年に、後堀河天皇の御姉安嘉門院が入湯されたことからその名が付いた御所の湯は、「美人の湯」と言われ、「火伏防災・良縁成就の湯」として親しまれています。
 
大谿川沿いの桜並木の先には、一風変わった、緑の屋根が印象的な、「まんだら湯」があります。
 
道智上人の曼荼羅千日祈願によって湧いて出たとされる湯で、「一生一願の湯」として、「商売繁盛・五穀豊穣の湯」とされています。
 
目の前に開ける景色もなく、浴場も決して広いとは言えず、露天の円形のひのきの桶風呂などは、2〜3人がいいところといった外湯なのですが、そのこじんまりさからか、ここでは裸のお付き合いで、出会った方との会話がはずみます。
 
わたしも名古屋の商店街一行の方や、地元の旅館の方と、一時間近く湯船で語りあってしまいました。大浴場では味わえないものが、このまんだら湯にはあります。
 
 
 
しあわせを招く湯、「鴻の湯」
 
城崎温泉 鴻の湯残された一つの湯が、温泉街の外れの一番奥に、二層の切妻屋根と、湯気が出ている煙突が印象的な、「鴻の湯」です。
 
温泉発祥の地であり、大きな露天風呂が気持ちいい外湯で、文字通り、「しあわせを招く湯」と言われ、「夫婦円満・不老長寿の湯」とされています。
 
わたしは、この鴻の湯が一番好きで、特に、朝一番で入るここの露天風呂は格別です。中心地からは少し離れますが、是非とも訪れてみてください。
 
この城崎温泉に来て、わたしは、はじめて外湯めぐりの楽しさを知りました。それほどまでに、この地は外湯がメインであり、また湯から湯への温泉街の道のりが楽しいところです。
 
道端の「足湯」につかりながら一服したり、お土産やさんをちょこっとのぞいたり、川沿いのしだれ柳を見ながら歩いたりしながら、一つ一つ巡っていく楽しさは、旅館の温泉では決して味わうことの出来ない、湯めぐりの楽しさがあります。
 
特別温泉に思い入れがない方にこそ、この城崎温泉の外湯めぐりを味わってもらいたいものです。
 
 
 
一番札をゲットしろ!
 
ここ城崎温泉では、浴衣下駄での外湯めぐりが定着しており、♪カラン コロン カラン コロンと温泉街に響く下駄の音が、湯けむり情緒たっぷりの温泉街のムードを、さらに盛りたててくれます。
 
多くの宿が、宿泊客に外湯の「無料入浴券」を配布していることや、端から端まで歩いても20分そこらの距離であること、それに道中の景観の良さが、タオル片手に気軽に外湯めぐりを楽しむ気持ちにさせてくれるのではないでしょうか。
 
城崎温泉 一番札旅館についたら・・、夕食後に・・、そして早朝に・・・と、いつでも気軽に出かけられる、そんな外湯めぐりは、この城崎温泉のすばらしさそのものです。
 
特別温泉好きというわたしではありませんが、気付いたら、「一の湯」「まんだら湯」「御所湯」「鴻の湯」、それに旅館の露天風呂と、一晩で5箇所も湯に入っていました。
 
それほどまでに、魅力的でついつい足が向いてしまう城崎温泉の温泉街ですが、この城崎温泉に来たら、是非とも狙ってもらいたいモノがあります。
 
それは、毎日朝一番に、城崎温泉の外湯に入りに来た方だけに渡される、開湯一番乗りの称号である「一番札」です。
 
個々の外湯で、男女それぞれ一人に渡される一番札!、是非とも早起きして、ゲットしてもらいたいものです。
 
ちなみに、わたしはシーズンの谷間ということもあり、30分前に並んで、この一番札を頂けました。
 
花見やカニの美味しい季節や、人気の外湯は、それだけ競争も激しいですから、狙いを定めて挑戦してみましょう!
 
ご夫婦やカップルでゲット!するのもステキでは・・・。ただし、くれぐれも片方だけが一番手で、他の湯に行く行かない・・・なんかで、朝一番からケンカしませんように!
 
 
 
但馬牛のしゃぶしゃぶに、かにづくしのお料理
 
そんな外湯めぐりがメインの城崎温泉では、旅館を選ぶ時も、必ずしも豪勢な露天風呂など必要ないので、食事や雰囲気、外湯めぐりを考えた立地などをメインに考えてみてはいかがでしょうか。
 
温泉街には、木造三階建ての歴史ある建物や、文人なじみの宿など、数々の有名旅館が建ち並んでいますが、城崎温泉の宿は、どれも良い宿ばかりですので、かなり迷ってしまいます。
 
城崎温泉 旅館街それほどまでに魅力的な温泉地と言える、城崎温泉の旅館での楽しみと言えば、やはりお食事ですが、驚かされたのが、その料理の量と旨さです。
 
わたしは、城崎温泉においては、ごくごく普通の旅館に泊まったのですが、地元「但馬牛のしゃぶしゃぶ」、これぞとばかりの「カニづくし」の料理に、お腹が破裂しそうでした。
 
おまけに食後には、美味しい美味しい「城崎ジェラート」まで登場して、至れり尽くせりのお料理でした。
 
お湯同様、きっとお食事も、ご満足いただけるかと思います。
 
食後に登場した天然素材でつくられたおいしい城崎ジェラートは、ここ城崎温泉の名物であり、元湯近くの「城崎ジェラートカフェChaya本店」というお店が有名です。
 
こちらも是非、立ち寄ってみてください。また、温泉街にあるソフトクリームやさんも美味しいですよ。
 
珈琲大好きの方には、城崎駅から温泉街に向かって歩く通り沿いに、「ノバ」というお店があります。ここもおすすめです。おみやげ選びに疲れたら、ちょっとひと息、寄ってみてください。
 
 
 
文学の散歩道
 
この他にも、ここ城崎温泉には、見どころがたくさんあります。
 
温泉街からのびる「城崎ロープウェイ」は、「大師山」山頂へと続いており、標高231mの山頂からは、城崎温泉の町並みや、円山川、遠く日本海が望めます。また、途中の山腹には、「温泉寺」もあります。
 
城崎ロープウェイ城崎駅から温泉街に抜ける裏道の一角には、城崎観光協会が併設されている「城崎町文芸館」があります。
 
ここでは、志賀直哉をはじめとする、城崎ゆかりの文人達の作品が展示されています。
 
城崎温泉は、古くから多くの文人達と深い関わりがありました。そんな文人達を偲んで、城崎ゆかりの文人達の歌碑が街に点在しています。
 
これらは「文学の散歩道」とよばれ 一部、東山公園など中心地から離れていますが、城崎駅前の「島崎藤村」の碑から、温泉街の「与謝野寛・晶子」、「志賀直哉」、「司馬遼太郎」、「松尾芭蕉」、「有島武郎」などの碑を抜け、城崎温泉ロープウェイ頂上の、「吉田兼好」の碑まで、計20基の歌碑が建っています。
 
城崎を舞台にした文人達の作品に触れながら、温泉街を巡るのも、また一興ではないでしょうか。
 
食べて良し、湯めぐり良し、歩いて良し・・・の城崎温泉、是非とも一度足を運んでみませんか?
きっと二度三度と、訪れたくなる温泉地ですよ!
 
 
  
 
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