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雪の大谷 Vol .105  雪の大谷(富山県)
雪の大谷
‐ Toyama ‐ 富山
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もうひとつの立山の光景
 
北アルプスの3000m級の山々を望む絶景地として知られ、また、「星にいちばん近い駅」としてもその名が知られている名勝地、それが富山県にある、「立山室堂」(たてやまむろどう)です。
 
雪の大谷と高原バス室堂は、「黒部ダム」があることなどでも有名な、長野県から富山県へと続く約100kmの山岳観光ルート、「立山黒部アルペンルート」のほぼ中央に位置し、変化に富んだ地形が織り成す自然の景観に、多くの観光客が酔いしれ、春の訪れから冬の始まりまで、常に賑わう観光地となっています。
 
またここは、北アルプスに挑む、登山者のベースキャンプにもなっており、高原散策が楽しめる地でもあり、室堂には、四季折々の自然の顔があります。
 
そんな立山室堂にあって、春の訪れとともに、全国ニュースでも紹介され、誰しも一度は目にしている光景・・・、それが、標高2,390mに現れる雪の壁、ご存知 『雪の大谷』です。
 
雪の大谷は、観光地立山に欠かせぬ景観であり、立山の一年の始まりを告げると同時に、閉ざされた立山の冬の厳しさを物語るものでもあります。
 
 
 
立山熊太郎が大活躍!
 
雪の大谷は、高原バスが走る、「室堂ターミナル」から、「弥陀ヶ原」(みだがはら)方面へと続く、立山道路に出現します。
 
雪の大谷の雪壁一般的には、「立山・雪の大谷ウォーク」として4月〜5月にかけて開放される、約500mの歩行可能区間を指し、その間上下交互通行に規制された車道と、ロープで仕切られた歩行者専用道が並行して造られます。
 
立山道路の除雪作業は、毎年3月上旬〜4月中旬まで、1ヵ月以上にも渡って行われ、その間費やされる費用は、軽く1億円を越えるものとなっています。
 
立山開山伝説にちなんで名付けられたとされる、45mも雪を投げ飛ばすロータリー車、「立山熊太郎」をはじめとした除雪作業車両十数台が、氷点下10℃にも及ぶ雪原に、連日道を切り開いていきます。
 
その中でも、この高さ20mにも及ぶ豪雪地帯である雪の大谷の区間は、最大級のブルドーザーにて、上部より雪を切り崩し、徐々にアスファルトの見える路面へと除雪していくという、気の遠くなるような作業が繰り返し行われていきます。
 
この作業は、わずか数百mの雪の大谷の区間だけで、1週間から10日もの時間を要するという、想像を絶する大変な作業となっています。
 
雪の大谷の除雪作業立山道路の多くの区間は、前年の秋に、道路脇に立てた、10m近いポールとポールの間を、長年のカンと確かな技術で除雪していきますが、高さ20mにも及ぶこの雪の大谷では、そのような目印は埋もれてしまい役に立ちません。
 
この雪の大谷の除雪作業は、かつては雪の少ない山頂に立てたポールをもとに測量を行い、道の位置を導き出し、除雪作業を通じて、正確な道の場所を探し当てていきましたが、現在はGPS搭載のブルドーザーのお陰で、道路を見つけ出すことは、大分楽になりました。
 
それでも、削り取った雪壁に、輝きと美しさを出すには、それなりの経験と技術が必要であり、この雪の大谷の除雪作業は、ベテラン作業員の腕の見せ所でもあります。
 
そんな除雪作業者たちの頑張りの上に現れる雪の大谷は、近年では、2000年に20m、2006年に19mの高さを誇っており、雪の少なかった2005年・2009年でも15mと、毎年15m以上の雪の壁を見せてくれます。
 
過去最高の高さを誇ったのは、1981年で、なんとその高さは23mにも及び、7階〜8階建てのビルに相当するまでの高さとなりました。
 
 
 
現れたる、純白の廻廊!
 
わたしは、この雪の大谷を目の当たりにするまで、除雪により飛ばされた雪が、積み上がって壁が高くなっていると思っていましたが、実際は、除雪により削られ現れた、純然たる雪の壁であり、そのことを物語るように、雪壁には、古代の地層を見るがごとく、堆積により生まれた雪のラインが、きれいに描かれています。
 
雪の大谷の純白の廻廊ざらめ雪しまり雪、それに遠く中国大陸より舞ってきた黄砂によりつくられた、茶色のラインも何層か見られ、紛れもなく堆積によりつくられた雪壁であることが、巨大な壁を見上げてみると一目瞭然でわかります。
 
考えてみれば、除雪により生まれた壁であるならば、崩れる危険も大きいため、ここまで垂直に切り立った絶壁という姿で公開することは難しい訳で、実際、この雪の大谷の雪壁は、1uあたり10トンに近い力がかかっているとのことです。
 
この自然の堆積により生まれた、見事なまでの純白の廻廊は、貴い立山の大自然からの贈り物となっています。
 
 
 
眩いまでの、雪壁の曲線美!
 
雪の大谷の雪壁の曲線美海外でも、日本の観光名所として有名な、この雪の大谷には、多くの外国人ツアー観光客が訪れており、記念写真やビデオ撮影に夢中な人の姿や、国際色豊かな驚嘆の声が、あちこちで響き渡っています。
 
この雪の大谷の光景を、どう伝えるべきか・・・、こうして文章を書いている時点でも、うまく表現できずにいるしだいで、やはり実際に見て頂かないことには、この感動は伝えられない・・・というのが、結論なのかもしれません。
 
実際わたしも、この地を訪れるまでは、写真や映像で、何回もこの雪の大谷の光景を見ては、あれやこれや想像し心躍らせていましたが、実際に目の当たりにしたこの光景は、そんなものとは比較にならないほどの感動がありました。
 
雪の大谷と高原バス迫り来る雪壁の迫力や、真っ白な壁のラインの美しさ、青空との絶妙なコントラスト、道のカーブに沿って生まれた雪壁の曲線美など、やはり実物を目の当たりにしてみない限り、この雪の大谷の魅力、すばらしさは伝えきれません。
 
わずか500mという区間ですが、上下左右の目線の変化や、移りゆく空の表情や降りそそぐ太陽光の変化、行き帰りで異なる立山の山々の背景の違いなど、いくつもの顔がそこには存在します。
 
実際に、この雪の大谷を歩いてみること以外に、この楽しみ、この歓びは伝えきれませんので、是非とも、この地に足を運んで頂きたいものです。
 
この言葉以上に、ここに書けることもなく、これ以上正確に伝えられる言葉もありません・・・。
 
 
 
またしても・・・、山の天気の洗礼!
 
わたしはこの雪の大谷を見に、GW前の4月末に、この地を訪れましたが、前回の夏に続き、またしても山の天気の洗礼を受けてしまいました。
 
室堂ターミナルから雪の大谷へ向かう人々公式ホームページや、地元の観光協会等で、事前に立山の状況は確認しつつ、2日前の天気予報にてスケジュールを調整し、この雪の大谷を訪れたものの、晴天の予報の中、室堂はおろか、出発点である「扇沢」での夜明けから、季節はずれの雪という洗礼を受けてしまいました。
 
当然、室堂の天気はさらにひどく、気温5度との予想が、氷点下5度にまで下がっており、雪が舞っており、視界は数mとのことでした。
 
雪の大谷掲示板無情にも、雪の大谷ウォークは、現時点では開催できないとの掲示がされており、始発のバスを待つこの時点で、明日にするか、予報を信じて今出発するか、選択を迫られました。
 
二度三度考えましたが、明日の予報もこうなると?なので、ここは予報を信じて行こう!と決め、扇沢を後にしました。
 
それでも、万が一・・・と思い、切符は黒部ダムまでの往復の購入にとどめ、最終決定は、黒部ダムの様子をみてにしようと決めていました。
 
そんな感じでスタートし、「黒部ダム」 ≫ 「黒部平」 ≫ 「大観峰」と、「トロリーバス」に「ケーブルカー」、「ロープウェイ」を乗り継いで行く中でも、室堂の天気は回復気味とのことでしたが、依然除雪作業中とのことで、雪の大谷への道は、開催時間を過ぎても、未だ閉ざされたままでした。
 
雪の大谷の中を歩く人と上をすべる人そして、扇沢を出発して3時間、ついに室堂駅に到着し、「室堂平」に出てみると、意外にも、天候は一気に好転している感じで、ここでしばらく室堂平の雪原を散策していると、ついに、ウォーク開催のアナウンスがありました。
 
ツアー旅行客ともども、半信半疑で登ってきた多くの観光客の歓声が、室堂ターミナル中に響き渡り、ご覧の光景を、じかに目の当たりにすることができました。
 
正直、雪の大谷の見学は、2日間のどちらかで・・・と思ってスケジュールは立てていましたが、往復にかかる時間や運賃を考えると、さすがにここまできて中止では、精神的にもこたえます。
 
それだけに、歓びもひとしおでしたが、寒さも予想以上の体感温度にビックリものでした。
 
いかに春とはいえ、そこは山の天気! まして、北アルプスの3000m級の山々を望む高地ですので、やはり充分すぎる準備が必要です。
 
雪の大谷と高原バス出掛けに、必要ないとは思うけど車だから・・・と投入れていた皮ジャンが役に立ち、またしても運に救われた形となりました。
 
みなさんも予想外のことが起きるのが山の天気、準備には念には念をいれましょう。
 
高さ20m、6〜7階建てのビルの高さにも匹敵するこの雪の大谷、迫り来る雪壁の迫力、眩いまでの白さを誇る一面の銀世界、そして堆積した雪の層で描かれる、芸術的ともいえるその美しい雪壁の曲線美・・・と、是非とも、この立山の春を告げる、雪の大谷ウォークに参加してみてください。
 
この光景、この感動は、決して言葉では伝えられないものであり、訪れたものだけが知り、見た者だけが味わえる、至高の歓びがここにあります。
 
 
  
 
■ 雪の大谷 〜 星★聖 の ひとこと 〜
「雪の大谷」のすばらしさは、訪れた人だけが知る、見た者だけが味わえる、至高の歓びです。
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