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第5話
住まいづくり『プロと博士の教え』
営業のプロのお話
■□■□■

■第5話 その一言が命取り! 「資金計画」



 ★ご主人 :「家って、みんなどのくらいで建ててんの?」

 ☆営業マン:「・・・ご予算ですか?」

 ★ご主人 :「そう、だいたい2000万くらいあれば建つの?」

 ☆営業マン:「そうですね、そのくらいの商品もございますが、ご要望によっても変わって
        きますし、どこまで含めてかということもありますので一概には・・」


 ★ご主人 :「うちもそのくらいで考えてんだけどさぁ。同僚も最近建てて2000万
        だったって言ってたし、そんくらい考えときゃなんとかなるんでしょ?」


 ☆営業マン:「・・・」


みなさんは、住まいづくりにおける「資金計画」について、どのようなお考えをお持ちですか?

当たり前ですが、お金が無ければ家は建てられません。なのに、なぜか最後まで本気で向き合わない方が多いのもこの「資金計画」です。

すべてが出揃い、見積りの段階まできて、改めて資金計画と現実のズレに気付く方が多いのです。

ごく一部の、全額現金で購入される方を除き、資金はある面、多くの方の夢を奪うモノかもしれません。そんな気持ちが、ちゃんと向き合わずにズルズルと先送りさせる原因なのかもしれません。


いずれにしてもこの「資金計画」。実はここにお客様の住まいづくりの大きな落とし穴が潜んでいます。お客様側の立場からすると、夢のマイホームでの新生活が、本当に夢のある生活になるかどうかのキーポイントになります。

そして、営業マン側から言えば、以前にもお話したお客様をどう判別・ランク分けするかのキーポイントになります。

冒頭の会話の中での資金は「2000万」という数字です。ある面ここでは総額としてのニュアンスが強いのですが、問題はこの数字の裏づけです。

このお客様は、平均的なお客様の相場や、同僚の話から、年収や求める家の大きさなどが自分たちも似た感じなので、そのくらいでなんとかなるという安易な考えをしているということです。



 ★みなさんは、「資金計画」をする時に何から先に考えていますか?



実際にマイホームを手にして、新生活が始まった時に、現実的に問題になるのは、いくらの家を建てたかでも、自己資金の額でも、ローンの借入額でもありません。

月々いくら給料から引かれていくか!です。

借り入れが1000万円だろうが3000万円だろうが、月々の支払い額が、現実的に自分たちの生活にのしかかってくる数字です。

間取りで失敗したとか、もっと早く建てればよかった・・など、家づくりにおける失敗談はよく聞きますが、この「資金計画」の失敗は、失敗というレベルではありません。

新生活を幸せなものにするかどうかを握っているばかりでなく、あなたの人生をそのものを決定づけることにもなりかねません。



ちょっとそれましたが、このことをわかっているかどうかは、家づくりにおいて非常に大事なことです。
その証に、このことをわかっているお客様は、「資金計画」のスタートを、現状での住まいにかける金額がいくらなのか・・・からスタートします。

今、アパート暮らしであるならば、月々の家賃をもとに借入額を考えます。

具体的には、月々の家賃+駐車場代+家づくりのための毎月の積み立て額、マイホーム取得後の生命保険の見直し差額・・等の、月の合計額から逆算し、借入額を割り出します。

それに自己資金を足したものが、家づくりの総予算になるわけです。


 ★「総予算」=月の合計額から逆算し割り出した「借入額」+「自己資金」


例えば、現在、家賃:7万円  駐車場:1万円  積立額:1万円  保険差額:1万円の合計10万円/月と、自己資金が800万円あるお客様の場合、仮に30年返済金利 2%とすると、100万円あたりの月返済額は3696円となります。

月額10万円を、この数字で割ると、100,000円÷3696円≒27ということで、ざっと2700万円借りられることがわかります。

これに自己資金800万円をたした3500万円が、このお客様の総予算となります。



おわかりですか? 最初にあてずっぽの3500万円!といういい加減な予想数字があるわけではなく、新生活における無理の無い負担額から逆算して総予算は決まっていくものなのです。

この総予算はお客様個々によってすべて異なるはずですし、時代によって金利も異なりますから、当然影響がでてきます。

年収が同じだからとか、同じ大きさの家を考えているから・・などで、総予算は予想できるものではないのです。

このように逆算をして、自らの新生活を具体的に設計・イメージできているお客様は、冒頭のような発言は絶対にしないのです。

そして何より、新生活が始まっても、無理な生活スタイルに変化したり、あちこち窮屈な思いもせず、変なストレスもなく夢のマイホームで幸せを満喫できるのです。

いままで吸っていたタバコを減らしたり、呑みに行く回数を減らしたり、いずれも奥さんの狙いであったりしますが(笑)、家族旅行を近場で済ますようにしたり、洋服を買うのを減らしたり・・と、マイホームのために、今までの生活での楽しみを削るような事態には陥らないですむのです。

生活スタイルを変えることはなかなか難しいですし、何よりマイホームの夢が生活の楽しみを奪ってしまっては、決して楽しい人生を送ることにはなりません。

と、少々熱く語ってしまいましたが、それくらいこの「資金計画」というものは、マイホームづくりを行う上で重要なポイントになるのです。




では、なぜ?冒頭の言葉が命取りになるのでしょうか?

もうお分かりですね。先ほど少し触れましたが、営業マンは資金によってお客様を判別します。

お客様が語る理想のマイホーム像、建物の大きさ、設備などの要望と、お客様が口にする現実の予算とのズレを考えます。

例えば、ヒアリングの中で、一方で「リビングは最低20畳、書斎・防音室も欲しいし、屋上もいいなぁ〜」というお客様の言葉を笑顔で聞いていながら、もう一方で逆算により予算をシビアに計算し、頭
の中で、お客様の予算とのギャップを叩き出しています。

お客様がとんでもなくご自身の身の程をわかっておらず、現実離れをしている方や、どう考えても最低限の建物でさえも自社の単価では難しい・・となれば、適当に遊ばれたり、切られたり(またまた汚い言葉ですみません!)することになるでしょう。

また逆に、お客様が資金的に余裕があるのに、家族みんなが生活できる最低限のレベルでいい・・などと控えめな要望を口にされていれば、間違いなく超ホット客(=しっかり利益を稼げる)扱いになるでしょう。

業者によっては、格好の餌食となりボラれるかもしれません。

己を知り、それ相応に現実を把握していることが、営業マンと対等にわたりあうためには重要なことなのです。そこで、今日の教えですが、


■□■ 今日の教え ■□■

★とにもかくにも、自分の総予算額を知っておきましょう!

資金シミュレーションは、銀行系のサイトや住宅メーカーのサイトにありますので、簡単にできると思います。EXCELでも簡単に計算できますが、数式を万が一間違っていると大変ですので、出来合いのものを使うことをおススメします。

その上で・・。

 ★把握した予算総額よりちょっと背伸びしたくらいの要望を口にしましょう!
   
ちょっと上くらいのお客様は営業マンに切られません!
むしろなんとかしてとりたい!(=契約したい)と営業マン心理をくすぐるものです。
そこらへんの駆け引きをうまくやっていくと、思わぬ好条件が引き出せるかもしれません。



今回は、特別に営業マンが使うテクニックを、一つお教えしておきます。

予算の把握ができていないお客様に、現実を知ってもらうために、この逆算した総予算をいきなりつきつけるテクニックです。

夢見るお客様はどこまでも上っていってしまうので、ガツン!と最初に目を覚まさせてあげる目的もあるのですが、商談をうまく展開させるための営業手法の一つでもあります。

この手法は、どのくらい落とす(お客様に身の程をわきまえてもらう)かがポイントであり、営業センスが問われるところなのですが、落とし過ぎて、お客様の夢を奪いすぎ不愉快に思われると、逆にお客様に切られてしまいますし、中途半端では、要望>予算のままであり、その後の商談の展開がきつくなります。

初めの段階で、要望<予算で、尚且つお客様に切られない程度に落とす(抑える)ことが、営業マンの狙いなのです。

その後の商談で徐々に上げて行き、最終的に要望=資金で抑えれられれば良いわけです。

商談の後半戦で、「それはちょっと予算がオーバーしますから・・」などと要望を削っていっては、回を重ねるごとに商談が盛り下がり、到底契約には至りません。

逆に、徐々に「あれも実現出来そうですね〜」と、プラスしていけば、お客様の気持ちも盛り上がりますし、何より当初よりも営業マンが頑張ってくれているという印象につながります。

この最初の落とし具合が難しいのですが、優秀な営業マンは、瞬時にお客様の性格やその場の雰囲気からうまーく妥協点を見つけ誘導していきます。

ちなみに最終的に商談を盛り上げつつ要望<資金で抑え契約すれば、場合によっては利益の上乗せ(利益率の高いまま契約する)にもつながり、会社での評価もアップします。  

覚えておいてくださいね!


どうですか? お分かりいただけましたか?

わたしが新人の頃は、月々の返済額を金融機関の融資ごと、借り入れ年数ごとに、1円単位まで覚えさせられました。

接客時に目安のご予算を、暗算し即答できるようにするためで、毎日朝礼で「月々7万円、公庫25年返済、借り入れいくら!?」と上司に質問され、答えるのに必死だったことを思い出します。

しかも現実は厳しく、コロコロ金利は変わっていくので、かなり振り回されましたが、こっそり手に
書いたりもしていました・・(笑)。

今はパソコン、PDAや携帯で簡単に出せますし、他のツールも充実していますので、誰でも簡単に導けますが、それだけに営業マンの質も微妙に落ちている気もします。

会計ソフトの普及で、手書きの簿記ができない経理が増えているように、住宅の営業マンも自分で資金計画ができない人間が増えている気がします。

逆に、わたしが朝礼でされたような質問を、営業マンに投げかけてみて対応を見てみるのもいいのではないでしょうか?

慌ててカバンをひろげるような営業マンなら、とても任せられませんよね。

逆に、堂々と「では、次回調べてお持ちします!」なんてのも、ある面営業マンらしいのですが、こんなレベルのことを、いちいち宿題として持ち帰られても困りもんです。

営業マンに判別される前に、あなたが営業マンを判別してみてはいかがでしょうか?


どうですか? 少しはお役にたちましたか?
では、次のお話へ!
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