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■第7話 リビングは四角くてスッキリがいい?前回までは、「自分たちの新しい生活」をイメージすることについてお話してきましたが、今度こそ「イメージノート」づくりは進んでいますか? でもって、今日は、プラニングを行う上で必ずでてくる「落とし穴」についてお話します。 ■みなさんは、どんなお部屋のカタチが好きですか?実際に、間取りを考え出したマムちゃん夫妻は、毎晩のようにあれこれと話し合っているようです。自分たちのイメージを実際にカタチにすべく、設計士さんも含めて、日夜悪戦苦闘しているみたいですが・・・ マム:「ねぇ、この前持ってきてくれたプランどう思った?」 旦那:「まだイメージがわかないんだけど、なんかスッキリしてないよなぁ〜」 マム:「プロの方が考えたんだから、ちゃんと意味があるんじゃないの?」 旦那:「そうはいっても、リビングもさぁ〜なんでこうなるのかなぁ〜?」 マム:「だって、LDKがつながった方がいいって言ったのあなたじゃない!」 旦那:「そうじゃなくてさぁ〜、なんでこういうカタチがギクシャクしてんのかなぁ? それに狭く感じないかこのリビング?」 マム:「しょうがないじゃないの、お金がないんだから! これ以上大きくしたら、 また高くなっちゃうでしょ!」 旦那:「そうじゃなくて〜」 マム:「ならどうしたいのよ!」 旦那:「リビングは四角くてスッキリした方がいいに決まってるだろ!」 またまたケンカになりそうなお二人ですが、今回は設計士さんが持ってきた具体的なプランを眺めてもめているようですね。 で、旦那の一言! ★「リビングは四角くてスッキリした方がいいに決まってるだろ!」 ・・って、マムちゃんの旦那さんと同じように思っている方、どのくらいいるのでしょうか? 広さと言うものは微妙なもので、人それぞれ感じ方が違いますよね。性格でも変わってきますし、今の住環境や育った環境でも変わってきます。 そうそう、体型でも違ってきます。内山くんや石ちゃんなどと、ナイナイの岡村くんじゃ〜当然感じ方も違ってきますよね。 1畳の普通のトイレにそれぞれが入ってる姿、想像してみて下さい。(笑) ある一定以上の広さがあれば(例えば東京ドームとか)、多くの方が広いと感じるのでしょうが、一般の家ではそうはいきません。 かかるお金が同じなのであれば、少しでも広くしたい!と思うのは、当然と言えば当然で、誰しも思うことかもしれません。 もちろん書斎やトイレなど、必要以上に大きいと落ち着かなかったり、集中できなかったりということはありますが、リビングに関してはおそらくたいていの方が、「広くしたい!」と思っているのではないでしょうか。 ではもう一度振り返ってみましょう。上記の会話で、マムちゃんパパは、何が気にいらなかったのでしょうか? どうやら、設計士さんのプランが、リビング8畳とダイニング・キッチン8畳を、少し雁行させていたようです。そのズレが気に入らなかったようですね。 なんでわざわざズラして変な形にしているのか? 単純に16畳のビッグリビングにした〜い!って思っちゃったようですね。 マムちゃんは、ちゃんと意味があるんじゃないの? と、珍しく慎重な発言! ■このケース、みなさんはどう思われましたか?間取りの打ち合わせをしていていつも感じること・・・それは、みなさんが間取りを、図面そのままに平面で捉え考えてしまうということなんです。上から図面を見ることは、家を空から透視してみることです。実際にはありえないことですよね。 そんな観点から間取りを見てしまうので、ついつい変な誤解をしてしまうんです。 最近では、3Dウォークや自由に回転させてみれるCADソフトも普及し、個人でも手軽に利用できたりしてだいぶ便利になりましたが、それでも平面図の力は大きく、未だに図面の中心は平面図であり、やはり誤解する方が後を絶ちません。 具体的な例としては、平面図のカタチとしての綺麗さが間取りとしても美しいと思ってしまう点です。 特に収納部などの凹凸に敏感な方が多いようです。 実際には収納には扉がついており、見える部屋としては四角形なのに、図面上では収納部まで含めたカタチの印象が強く、なんかしっくりこない場合などです。 典型的な例が子供部屋などで、6畳の2つの部屋の間に、互い違いに両側から1畳分の収納を造った時などです。 これを部屋ごと色分けなどしていると、平面図では部屋のカタチはデコボコに見えますが、実際にはスッキリしたお部屋になっているはずです。 人間の感覚というものは非常に複雑であり、そこには錯覚や思い込みというものが微妙に影響を与え、時に正確な空間把握を妨げることにつながります。 広さの感じ方についても同じことが言え、そのことから逆に広さを演出する方法もいろいろ生まれています。 色彩の効果を利用したもの、対比によるもの、窓の大きさや位置によるもの、人間の錯覚を利用したものなど、いろんな手法を駆使して設計する方は、限られたスペースや予算で、少しでも広く見せようと努力しています。 マムちゃんの設計士さんもマムちゃん夫妻を思い、LDKを広く見せるために、LDK全体としての部屋の対角線を長くすることで、部屋の広がりを出す手法をとっていたのです。 さらには、部屋の角を見えなくすることで、広がりを感じさせる方法も利用していたのです。 一方の対角線が長くなると部屋が広く感じるのは、実際に対角線が長くなっているのでなんとなくわかると思いますが、角が見えないというのは・・?と、お思いの方も多いのではないでしょうか。 どういうことかと言いますと・・、 今いるお部屋の隣のお部屋の四隅全部が見えていますか? みなさんは隣のお部屋の大きさを知っていますが、それでも角が見えないと、その先がずーっとつながって広いお部屋かもしれない!って思えてきませんか? 「隣の部屋は6畳じゃ!」って怒らないでください。 角を見えなくすることにより、部屋の大きさを限定せずに感じられるんです。 同じような例で、写真や映像などのフレームも同じことが言えますよね。 写真を見て訪れて、がっかりした観光地などありませんか? 写真では写っていなかったビルがすぐ隣に建っていたり、ずーっと続いていく感じの砂浜が、実は写真のところだけですぐに終わっていたり・・・、フレームの外のことは、その延長線上で勝手に想像し思い込んでいたにすぎず、実際に現地で目の当たりにしてがっかりすることもしばしあるはずです。 裏返せば、そこがプロの写真家の凄さであり、同じことが設計士にも言えます。 LDKのつながりを、わざと雁行させて影をつくり、角を特定させないことからその延長線上で部屋の大きさを勝手に想像させ、空間に広がりをだしているのです。 どうですか、おわかりになりましたか? 言われてみればなるほど!と思っても、このことは平面図ではなかなかわかりませんよね。 実際、平面図では、とかく部屋のカタチを、四角くスッキリしたがるお父さんが多いのです。 そんな・・・って思っているあなた! 実際問題、四角くスッキリした間取りの家と、マムちゃん家みたいな間取りのふたつの平面図を見て、どう判断していますか? 四角い部屋の方がよく見えたりしていませんか? もちろん四角い部屋が悪いわけではありません。家具の置き方や部屋の利用方法、他の空間とのつながりなど、間取りには様々な要素が関係してきますから、一概にどうだとはいえません。 ただ、ひとつの方法としてこういうものがあり、逆に何が何でもリビングは四角くてスッキリしたものが良いというわけではないことを理解してください。 平面図で良く感じるものと、実際にその空間に立って良いと感じるものが異なることをよく理解してください。 もう一度言いますよ! 上から見た平面図は、家を空から透視してみることであり、実際にはありえないことです。 ただ平面図を眺めているだけでは、空間を感じることはできませんよ! 次回は、そんな平面図の落とし穴のパート2をお届けします。 |
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