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■第6話 「イメージノート」のつくり方!前回まで「自分たちの新しい生活をイメージすることが大事!」なんてことをお話してきましたが、大丈夫ですか? 覚えていますか? マムちゃん夫妻の失敗談! 「イメージノート」を片手に「ハイ!」って、何人の方が答えてくれているのでしょうか? ちょっと不安もあるのですが・・・ でもって、今日はその「イメージノート」の具体的なつくり方を考えてみたいと思います。 実は前回の配信後、「イメージノート」をどうやって作ったらいいのか? という質問がありまして、わたしは簡単に考えていたのですが、真剣なみなさんには、少々説明が足りなかったみたいです。 反省しています・・・ でも、本当にかしこまってつくるものじゃなくて、走り書きでいいわけですし、切抜きをスクラップしたものでいいんですが、こういう伝え方がよくなかったみたいです。 何でもかんでも、見たり聞いたりしたものすべてを、「イメージノート」に書きとめるという風に思われちゃったみたいで、大変なことになっちゃったみたいです。 「自分たちのイメージ」ですよ! と強調したつもりだったのですが・・・ ではでは、またまたマムちゃん夫妻に登場してもらいながら、説明していきましょう! ■せっかくのノートづくりが・・マムちゃんはさっそく切抜きをはじめました。マムちゃんお気に入りの「ダイニングカウンター」、「オーブンレンジ付きの高価なキッチン」の写真、パンづくりやみんなで料理ができそうな「アイランドキッチン」の写真、家計簿をつけたり、アイロンがけに利用できる「家事コーナー」の写真、ティータイムを演出する「オーニング」、寝室壁面いっぱいの「折戸式クローゼット」と、次から次に写真をペタペタ、一生懸命「イメージノート」づくりに励んでいました。 そんな時、マムちゃんの「イメージノート」の話を聞き、先を越されていた旦那さんが、趣味のクルマいじりを実現すべく、リビングからガラス越しに中が見える、英国式のクルマ2台分のビルトイン・ガレージの写真を片手に、マムちゃんに「ノートはどこ?」って聞いてきました。 「ハイ!」と手渡しつつ、その写真を見たマムちゃん! マム:「何よこれ? こんなのダメよ! 何考えてんのよ!」 旦那:「俺の夢なんだよ! 「男のロマン」なんだよ! いいじゃないか!」 マム:「冗談でしょ! バカじゃないの! そんなの本当の夢じゃない! 無理に決まってるでしょ!」 旦那:「本当の夢のどこが悪いんだよ! とりあへずでもイメージを伝えなくちゃ 話にならないだろ! 相談してみなくちゃわからないじゃないか!」 マム:「もっとましなこと考えられないの! お金持ちじゃあるまいし、どこにそんな 大金があるのよ!」 って、夫婦喧嘩が始まっちゃったから大変! まだまだ続くありさまで、 マム:「ほら見てよ! わたしは、毎日の生活をまじめに考えてやってるのよ! ちゃんと実用的なものを考えてんの!「男のロマン」なんてふざけないでよ!」 旦那:「オイ、待てよ! 何だよこのキッチン、オーブンレンジ付きなんて。この前いい やつ買ってやったじゃないか! それにこのテーブルはどうすんだよ!」 マム:「・・・」 旦那:「何だよこれ!(←オーニング) オープン・カフェじゃあるまいし、誰が こんなの使うんだよ! どうせはじめの頃だけだろこんなの!」 マム:「くつろげるのよー、自然を感じられて、空気もおいしいし・・」 旦那:「何言ってんだバカ! それこそ「女のロマン」の腐ったのじゃないか! だいいちココだぞ! 都会のど真ん中で、こんなのつくったって、くつろげる わけないだろうが、ボケ!」 かなりヒートアップしちゃって、喧嘩はどんどんエスカレートするばかり! いつものこととはいえ、止まる事を知りません。 旦那:「それに何だよこれは、こんなクローゼットどうすんだよ!」 マム:「うちはモノであふれてるのよ! 洋服もいっぱいあるし、あなただって たくさん持ってるじゃないの!」 旦那:「今足りてるじゃないか、それにどうすんだよ、お前が持ってきたあの大きな 嫁入りダンスは、捨てんのか!」 マム:「・・・」 旦那:「お前こそ、ちゃんと考えてんのか!」 マム:「・・・もういいわよ、あんたの好きにしなさいよ!」 どうやら、追い詰められたマムちゃん、逆ギレしちゃたようです! この会話、いや喧嘩ですね(笑)、どちらが正しくてどちらが間違っていたのでしょうか? 実は、どちらもちょっとづつ正しく、ちょっとづつ間違っていた感じですね。ですが、一生懸命ノート作りをやっていたマムちゃんの方が、ちょっと分が悪いようです。 でもこの喧嘩の中に、「イメージノート」づくりのヒントがたくさん出てきたんですよ、お気付きになりましたか? では、順番に喧嘩の内容をみながらお話しましょう。 ■ノートづくりに問題が・・まずはマムちゃん、すぐにノートづくりを行ったその行動力は◎。でもって、切抜きをしたことも◎。 問題は、その内容だったようですね。 実はマムちゃんは、先のこと、理想の生活のイメージが先行するばかりに、地に足がついていなくて、「今の生活」を振り返ることを、ちょっと忘れてしまったようですね。 確かに自分のイメージではあるのですが、「今の生活」を忘れてしまってはいけません。 しっかり「今の生活」を考慮したうえで、「自分たちの生活」をイメージしなければいけません。 現実を知れ! 身分相応にしろ! 夢見ることを諦めなさい! と言っているんじゃないんです。 今の生活で変えられないもの、変えたくないもの、受け継ぎたいものなどをしっかり把握して、自分たちなりに整理したうえで、イメージを固めていくことが大事なんです。 ではひとつひとつチェックしてみましょうか。 ■まずはキッチン!旦那さんが言うように、マムちゃんはお菓子づくりが大好きで、安いキッチン分くらいする高価なオーブンレンジ(羨ましい!)を買ってもらったばかりだったんですね。毎日満足して使っているみたいですし、まだ買って日も浅いですし、マムちゃん自身、これを手放す気にはなっていませんでした。 ですが、ビルトインされたオーブンレンジ付きキッチンの、そのスッキリしたイメージに、すっかり舞い上がってしまったようです。 ダイニングカウンターにしても、配膳が楽だったり、会話がはずみそうで・・と思っていたものの、今のテーブルは、結婚してはじめて2人で買った想い出の品。冷静に考えれば、手放すはずもなく、これはちょっとまずかったようですね。 アイランドキッチンにいたっては、「パンづくりや、みんなで料理がしやすいよ!」という友人の言葉で切り抜いたもので、実際にはマムちゃん自身、その気があるのか自分でも?・・とのこと。 でもこれらをノートに貼り付けちゃいけないというわけではありません。 大事なのは、前述のとおり、「今の生活」から変えられないものや受け継ぎたいものをどうするのか、それらの考えをしっかり持って、ノートに示し伝えることです。 つまり、こういうイメージが好きなんだけど、今あるオーブンレンジやテーブルは生かしたい!なんとかしてください先生!というニュアンスでしょうか。 キッチンにビルトインはできなくとも、そういうマムちゃんの意向を受けた設計士さんは、背面にオーブンレンジがスッポリ収まるオリジナルの壁面収納を提案してくれるかもしれません。 いずれにせよ、具体的なイメージと、何をどうするかという要素がハッキリしていれば、プラニングはしやすくなります。 ■そして、オーニングマムちゃんは、友達とよくオープン・カフェに行っていたので、これに憧れていたんですね。でも、旦那さんの言うように、都会のど真ん中、目の前は大通り、この環境ではちょっと厳しいような・・・ でも、これは書きとめておいていいんじゃないでしょうか。 これこそひょっとすると、設計士の腕の見せ所になるかもしれませんから・・・ ただ、心配なのは、旦那さんが言うようにはじめだけで、結局今までどおりにオープン・カフェへ!という生活は変わらず、使われなくなっちゃうのでは・・というのが気がかりです。 そこらへんのこと、つまり自分なりにオーニングのある具体的な生活をイメージしてみて、本当に有効活用できそうか、そういう生活が描けるか、もう少し考えてみる必要はあったかもしれませんね。 描けそうであれば、これは「イメージノート」の時点では残しておいてよいでしょう。 次のステップで、具体的な案として残すかどうか考えればいいことでしょうから。 ■問題のクローゼットこれは多くの奥さんが憧れるものですが、ここで出てくる問題が「嫁入り家具」セットです。当然のようにこの家具セットは材質もよく高価なものであり、何よりご両親の気持ちも込められていたりするわけで、単純に捨てるわけにはいきません。 マムちゃん自身、捨てる気はありませんし、といって実家に戻すのも変な話で・・・ もちろん壊れたり痛んだりもしていませんし、旦那さんがいうとおり、今現在利用しており、特別収納が不足しているわけでもありません。 さてどうしたことか? マムちゃん希望の寝室壁面いっぱいの「折戸式クローゼット」、実はここで重要なのは、マムちゃんがこの写真を切り抜いた真意です。 部屋をすっきりさせたい、将来に備え収納がたっぷり欲しい、一箇所にまとめたい・・という気持ちが、この写真の裏にこめられています。 つまり、「嫁入り家具」のことが頭から飛んでしまったことは問題ですが、収納のイメージとしては決して間違っていないかと思います。 この自分の収納に対するイメージを、写真にプラスして言葉で書いておけばいいんです。 そして、できれば「嫁入り家具」についても、どうしたいかを! 「捨てられないけどなんとかしたい!」とね。 きっとそれを見た設計士さんは、折戸式になるかどうかは?ですが、ウォークインクローゼットを提案したりして、「嫁入り家具」をうまく収めるとともに、プラスαの収納を実現しつつ、寝室をすっきりしたものにデザインにしてくれるのではないでしょうか。 ■そして旦那のガレージ!この「男のロマン!」 あなたならどうしますか?って、これを読まれている方は、男性の方が多いんでしょうからね。「そうだ!そうだ!叶えてやれー!」と、旦那さんを応援する声が画面の向こうから聞こえてきそうです。 決してみなさんに押されている(笑)わけではなくて、これはこれで残すべきだと思います。 ただしこれも、この写真のどういう部分を求めているのか、雰囲気なのか、窓の感じなのか、自分の言葉をプラスする必要がありますよね。 もちろん現時点では、マムちゃんの旦那は、写真を手にしていただけですから、それだけで責めるわけにはいきません! これをそのまま実現させる!というのであれば、マムちゃんが怒るのもわかりますが、まだわからないですからね。 マムちゃんの旦那さんがどう思っていたのかは?ですが、雰囲気がこのイメージに近いものだったり、一部を取り入れてほしい!というものであれば充分実現できそうな気がしますし、きっと旦那さんも満足するのではないでしょうか。 そうはいかなくとも、設計士としては、旦那さんが求めるものを掴むことは大事なことであり、これは欲しい情報なんですね。 まぁ、マムちゃんからすれば、もう少し現実的な写真が良かったのかもしれませんが・・、それに「英国式」というのも良くなかったかもしれませんね(笑) と、ざっと見てきましたが、もうお分かりですよね。何でもかんでも貼り付けて良いように思えますが、大事なのは、くどいようですが「自分たちの新しい生活」をイメージできているかです。 そんなの何回も聞いたよ!って思っているあなた、よ〜く考えてください! 「自分たちの新しい生活」をイメージしていくためのノートではないんですよ! イメージそのものなんですよ、このノートは! 言い換えれば、イメージありきでノートが後なのです。 つまり、貼り付けたり書き込んだりする前に、それがあったり実現できた生活をイメージできているか? 建物や間取りをイメージするだけではだめですよ、そこで生活している自分や家族の姿を、その空間の中にイメージできていることが大事なんです。 朝起きて夜寝るまで、毎日の行動パターンや習慣、個々の性格に時にはモノに対する価値観など、自分たちのいろんな要素を踏まえて描かれたその空間を、ノートに書き込むわけです。 言っていることがわかりますか? ノートをつくりながらイメージをまとめていくんじゃないんですよ! 自分たちがイメージしたものを、より正確に人に伝える為に、または自分たちが忘れないようにつづっていくものなんです。 もうわかってくれましたよね。 「自分たちの新しい生活」のイメージが無いところに、思いつきでノートづくりは出来ません! それを見た設計士さんは戸惑うばかりです。それ以前に、つくっている本人も訳がわからなくなってしまうはずです。 テレビや雑誌で良いというものが自分の生活に合うかは?ですし、友人にすすめられたものをそのまま書きこむのも×です。 変えられないもの、変えたくないもの、受け継ぎたいもの、問題点など、それらは個々の生活で異なるものであり、自分たちにしかわからないものです。 それらを書き加えておくことがとても大事なことなんです。写真のスクラップだけが「イメージノート」じゃないですから、自分の言葉で表現することが大切なんです。 ここでひとつ助言しておきます。 「イメージノート」づくりで意外に多いのが、みなさんがお金がかかると勝手に思い込んでしまって、書くことを止めてしまうことです。 みなさんが思っているイメージは、実際多額のお金がかかることかもしれませんが、実はお金をかけずに、または少額で、はたまた今あるものを使って、それらに近いことが実現できるかもしれません。 あれこれ工夫したり、経験に裏打ちされた技で、お客様が描く「自分たちの新しい生活」に近づいていくことが、設計する人間にとっても腕の見せどころであり、プロとしての仕事なんです。 ですので設計士さんをどんどん利用して、たくさん悩ませてあげましょう! ただ、間違わないでください! 「お金がかかると思っているイメージ」ですからね、イメージ! 実際に固有のお金がかかるモノは、しっかりそのままの値段がかかりますからね。設計士さんがそれを買ってくれるわけじゃないですから(笑)。 さぁ、今度こそ、あなたも「イメージノート」をつくってみませんか? 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