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第4話
住まいづくり『プロと博士の教え』
間取りの博士のお話
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■第4話 これがわたしの夢なの?



前回までは、「坪単価」についてお話ししてきました。
今回は営業のプロのコーナーが、「坪単価」についてでしたね。
前回までのわたしのお話が、少しは役に立ちましたか?


さて、今回からはプラニングを行う上で重要な、「自分たちの」要望をどう伝えるべきか? どうまとめていくべきか・・について考えてみましょう。

今回は、最初ということなので、「自分たちの」という意味を理解してもらおうと思います。
これって家づくりにおいては、とても大事なんですよ!

ではでは、実際のお話の事例を紹介していきましょう!


お客様と住まいづくりを行っていく時、出てくる問題(疑問?)の一つ、それが、この「自分たちの」ということを履き違えている方が多いということなんです。

どういうことか? よくわかりませんよね?

まずは、具体的な事例にて、どういうことなのかお話ししましょう。




■マムちゃん一家の夢は、全面開口!

とある大きな芝生の広場に面した住宅展示場。一階のリビングの南側の窓が全面天井までの開口で、輝く太陽、芝生の緑に、心地よい風・・と三拍子そろった、それはそれはすばらしい環境でした。

ここを訪れたマムちゃん夫妻(久し振り登場(笑)ですね!)は、一気に気に入り、自分たちもこういうリビングの家にした〜い! な〜んて夢をもっちゃったから大変! そういう要望を第一に家づくりを行っちゃいました。

結果は、希望通りのリビング全面開口!

でも、その先には、真っ黒なワンボックスのクルマが、窓ギリギリまで止まっており、その向こうは人通りが多い国道。

日中も、視線が気になっちゃってカーテンを閉めっぱなし・・・な〜んて毎日です。

さらには、テレビや家具を背にする壁がなく、仕方なしに窓の一部をふさいで置くありさま。

プラニング段階で、もちろんプロは考え直すようにアドバイスしていたんですよ!

でも、マムちゃん夫妻には、あの展示場のイメージが強く、あれこそ理想の家「自分たちの」第一の要望なんだ!・・・となっちゃっていたんです。恋する乙女の一途な想いのような状態で・・。

あれだけ燃え上っていたマムちゃんも、さすがに今はちょっと後悔しています。なんでもっと現実を考えなかったのか・・、なんでもっとプロのアドバイスに耳を傾けなかったんだろーとさえ思っていたり・・。




■マム姉ちゃんの夢は、対面キッチン!

そんな頃、とある街のキッチンメーカーのショールームには、マムちゃんのお姉さん夫妻が、キッチンを見に来ていました。

お姉さんは、一目で真っ赤な光沢のある面材の対面キッチンに惹かれ、幅は普通でいいからこうしたい!・・な〜んて夢を持ってしまいました。

さすがに姉妹! 同じような夢をみています。

困った設計士も、お姉さんの「とにかく実現したい!わたしの夢なの・・」という熱意と、「自分の城はキッチンなの!」の一言に負け、要望どおりのプランで家を建てちゃいました。

もちろん旦那さんも、お姉さんには弱く、「キッチンは家内にまかせた・・」と、あまり気にしていませんでした。

結果は、対面キッチンにより12畳のLDKのうち、半分近い5畳がキッチンスペース! おまけに今まで使っていたお気に入りの大きなダイニングテーブルを、対面キッチンに横付けしている為、リビングスペースがありません。

キッチンはというと、背面にある大きなカップボードの半分は空っぽ。キッチン上部の収納もかな〜り空いているありさまです。

もともと共働きのマムちゃんお姉さん一家は、外食中心で、あまりこった料理はしませんから、道具も少なかったんですね。

カップボードにタオルや洗剤などの生活用品を収納したり、ダイニングテーブルをやめようか・・などと、考え出す毎日です。

流行りの大画面テレビも置けず、なんとも窮屈な感じのリビング。お姉さんの城が、本当の「お城」になってしまった例です。




どうですか? みなさんの周りにもこういう方はいらっしゃいませんか?

もちろん、プロは事前に、お客様の立場にたってアドバイスを行います。

でも、残念なことに、競合状態の場合などは、下手をすれば「あの設計士はわたしの意見を聞いてくれない!」なんてことになっちゃうので、商談を打ち切られてしまうのを恐れて、渋々言われるままの要望を、通してしまったりしちゃうんです。

これは、設計士にとっても辛いことなんです。最善をつくしても上記のようなケースは出てしまうものですから・・。

説得できない自分の力の無さを痛感したり、完成した家のプランをプロに酷評されたり、それでも背に腹はかえられない・・という状況なわけで!

みなさんはどうですか?「自分たちの」という意味がわかってきましたか?




■自分たちの生活をイメージする!

大事なのは、自分たちの生活をイメージすることです!


この家で、この間取りで、自分たちの生活スタイルはどうなっていくのか? どういう生活が描けるか?なんです。

たま〜に、間取りが生活を変える! おのずとそういう生活スタイルになっていく! な〜んていう方がいますが、みんながみんなそうなるとは思いません。

10年続いた、脱衣所で脱いだ衣服を洗濯機にポン!と投げ込む習慣が、かごに入れ1階の洗濯機まで持っていく・・なんて考えられますか?

キッチン横の勝手口からごみを外にポイ!と仮置きしていたのを、玄関を出て横のスペースに丁寧に置く・・なんて、すぐに出きますか?

変えたくない習慣こそ、本当の「自分たちの」要望の一つではないんでしょうか。



また、時代の流れや流行を、何も考えずに「最近はこういうのが主流です・・」なんて言葉にのせられ追うことも危険なことのひとつです。

振り返ってみてください!今まで数々の流行がありましたよね。ウォッシュレットみたいに、完全に馴染んだものもあれば、ジャクジーや24時間風呂みたいに、問題をかかえたまま付いているのに使われなくなっちゃったものもあります。

朝シャンなんてのもそうですよね。洗面台のシャワー水栓、たしかにお掃除の時には、伸びて引っ張れて便利かもしれませんが、本当に洗面台で頭洗っていますか?

新しい情報は、住まいづくりにおいては大事です。でも、展示場のイメージや雑誌や設備メーカーの宣伝に踊らされちゃったりするのは、いかがなものでしょうか。

まずは「自分たちの」生活スタイル、家族構成、住環境(敷地や周りの建物、道路、方位など)をしっかりと捉え、ちゃ〜んとしたイメージをもとに要望をまとめてみましょう。

「自分たちの」生活がきちんとイメージされていれば、設計士さんにも的確に伝わりますし、きっとその夢を実現してくれることと思います。

みなさんも設計士さんに、変な悩み?を持たせることはやめましょうね!

どうせ悩ますなら、本来のプラニングで悩んでもらいましょう。
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