Episode4 本体価格の内訳は?

■第4話 「本体価格」の内訳は?

前回のお話の延長で、住宅会社の営業マンや設計の方が使うトリックや、決してウソではないけど、見方がわからなかったり、正確な比較ができなかったりして、見破ることのできない数字のマジックについてお話してみましょう。「坪単価」の罠、あぁ恐ろしや・・・(笑)についてですね。

まずは、みなさんが大好きな「坪単価」を出すときのもととなる住宅の「価格」について考えてみましょう。みなさんは、どの金額を床面積で割って「坪単価」なるものを計算していますか?

① 建物の「本体価格」ですか?

② 建物の「本体価格」+「付帯工事費用」ですか?

③ 住宅建築にかかった「総額」ですか?

さらには、それは

①「消費税込み」のお値段ですか?

②「税抜き」価格ですか?

実はこの「坪単価」を求める際の計算のもととなる「価格」には、決まりなんてないんです。何を含めたものを「価格」として床面積で割りなさい!なんてルールは存在しないんです。

 「標準仕様です」

「すべて込みのお値段です」

なんて、よく営業マンの口からはそういう言葉が聞かれますが、そんなものは住宅会社の都合で、いくらでも自由に設定できちゃうものなんです。では、何でそうなっちゃうかといえば、業者による見積り方法の違いや、ご契約までの工程の違い、業者の経費処理の範囲、業者のお客様代行サービスの範囲(融資手続きの代行など)など、多くの要素があげられます。

例えば、仮設の水道や電気の費用、地盤調査費用、敷地の測量などの調査費用が、本体価格に含まれている場合と、付帯費用、もしくは別途費用などとして別計上されている例が挙げられます。本体価格に含まれている場合は、業者の営業経費の中で、無料で調査し金額を出しているか、一般的な事例をもとに推測で金額を約表示で示しているか・・・、だいたいどちらかの場合が多いでしょう。

この約表示がくせ者で、お客様の性格や度量?によって、許されちゃう範囲で少なめに表示!なんてことも充分可能になっちゃうんです。同じように、事前に「ご契約後に正式な調査を行いますので、調査によっては多少上下することがございます」なんて親切な説明をされれば、なんとなく納得しちゃいますが、最初からお客様の顔色をうかがいながら、許されそうな値段を後で上乗せする腹づもりかもしれません。

さらに問題なのが、地盤の改良や特殊基礎の問題なんです。地盤が悪くて、土を入れ替えたり(表層改良)、固めたり、杭をうったり(柱状改良)などと、これらは時には100万円単位の金額でズレがでてくるものです。斜面や崖地での建設など、家の本体価格よりも高いケースもでてくるわけで、素人であるお客様からすれば、唖然とする金額の場合もあります。

この地盤に関する費用だけは、正確な調査なしには判断できないものなので、正確な調査をご契約前に行う業者と、ご契約後に行うところでは、計上の仕方も必然的に変わってきちゃいます。この地盤に関する費用だけでも、「坪単価」に反映するとしたら、坪10万円くらい跳ね上がる場合がいくらでも出てきちゃいます。

先日ある住宅専門家の発言の中に、「敷地調査費用が無料、無料でプラニングしますのチラシはおかしい!そんなものは当たり前で、すべて設計料に入っているはずだ!ことさら取り立てるのはおかしい!」とかなり強~い口調で述べているものがありました。ごもっとも!と思いつつも、プロの方でも混乱されているのだな~と感じました。

昔ながらの工務店や設計事務所では、「設計料」として別計上され、その中にこういった費用が含まれるケースが多いかと思います。でも工業化住宅メーカーの中には、「設計料」という項目が無く、もしくはそれは無料で当たり前というところがあるんです。規格住宅の場合、メーカー設計により「設計料」がかからない・・・、正確にいえば、開発費として本体価格に織り込み済みというケースが多々あるんです。

また、営業活動の一環として営業経費で処理し、無料となっている場合もあります。会社の経費の中ですべて行い、契約にならなくても、いっさいお客様からはお金を頂かないというメーカーです。上記の専門家には、悪人呼ばわりされちゃいましたが、(ちょっとかわいそうでした・・)、このようなメーカーさんからすれば、上記のようなチラシは正当であり、逆に通常キャンセル時には、一部かかった費用を引かれ返金されるのが一般的な「設計料」こそ、建てもしない工務店にお金をとられてしまい罪だ!という主張になるんです。

ただし見方を変えれば、経費ということは、契約にならない方の分まで、契約した方の価格に、間接的とはいえ、なんらかの形で上乗せされていることにもなりますから、どちらが良いとか悪いとかの判断はできません。

ここまで読んできて、なんだか混乱しちゃって、何がなんだか、どうなっているのか?という方も多いでしょう。でもこれが「坪単価」や住宅の「価格」の謎そのものなんです。

ではでは、ここで「坪単価」を安く見せる簡単な例を挙げてみましょう。安く見せる基本は、「本体価格」を「床面積」で割らせることです。つまり、本体価格を安くすればいいのです。当たり前ですよね。ではどうするのか?

答えは簡単です。何もかも極力外出しにして、付帯工事費用や別途工事費用・諸経費として計上すればいいんです。そうすれば本体価格は安くなるんです。具体的な例を挙げると、

・仮設電気・仮設水道などの費用を外出しにする。

・仮設電気・仮設水道費用を、付帯工事の屋外給排水などの費用にもぐらせ本体工事から抜く。

・地盤調査費用や敷地調査費用なども同様に、外出しするかもぐらせ本体工事から抜く。

・通常、本体工事に入るべく基準照明(トイレや洗面所の電気など)を、別途計上となる

お部屋の照明費にもぐらせ本体工事から抜く。

・消費税をプラスする前で仕切り、税抜き価格を「本体価格」として「坪単価」計算をする。

・確実にかかりそうだけど曖昧なモノを、「別途契約後の調査による」などと書き除く。

などなど、挙げたらきりがないくらい、いろんなやり方があります。

ポイントは、屋外給排水工事費用などは、外部的要因に左右されるものなので、知らず知らずにお客様のチェックが甘くなってしまうことなんです。

「お客様の敷地は道路から離れていまして・・・」

「水道管が道路の反対側に埋まっていまして取り出しに・・・」

「敷地に高低差がありまして・・」

とか、いろんな説明を受けると、距離や高低差など、比較的素人でもわかりやすい要因なため、かかるものは仕方ない・・・なんて思えてきてしまうんです。お客様の土地は特殊でして・・・と、世界中に一つしかなく一般的に比較できない「土地」のお話に最もらしい説明を付け足すことにより、お客様を納得させちゃうんです。

また、照明やカーテンといったものは、お客様自身のやりよう・価値観で決まるもので、通常オプションの場合が多いわけです。全室照明付きなんて広告でも、付いているというだけで、おそらくそのままの照明器具で納得いくようなレベルのものは少なく、追加になるのがほとんどです。そうなると、お客様自身の好みの問題となり、自分で決めたことなので、チェックが甘くなっちゃうわけです。ここら辺が、業者側からすると、つけ入るスキになり、利益率を取り戻す(儲けを増やす)ポイントとなっているんです。

どうですか?少しは謎が解けてきましたか? 次回は「坪単価」を割り出す、もう一つの数字である「床面積」についてお話します。



       

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